そばやラーメンに寿司まで…名店の味を手軽に 今年の一皿は「冷凍グルメ」 静岡食事情②

 「ぐるなび総研が」その年の世相を反映した象徴的な“1品”を選ぶ「今年の一皿」。2022年は「冷凍グルメ」が選ばれました。

 例えば2015年には、お米を強く握らない新時代のおにぎり「おにぎらず」が選出され、2019年には県内でもブームを起こし、社会現象ともいえる状況だった「タピオカ」が選ばれています。時代を象徴するような「今年の一皿」。「冷凍グルメ」が選ばれた理由は?

画像: そばやラーメンに寿司まで…名店の味を手軽に 今年の一皿は「冷凍グルメ」 静岡食事情②

ぐるなび総研 市川萌乃さん:「飲食店での急速冷凍機導入が加速したことで、レストランの味をそのまま再現できるようになったものが冷凍グルメとして誕生しました。やはりコロナ禍ということが一番、大きなきっかけにはなっていると思う」

お肉の自動販売機を静岡市内15カ所に

画像1: お肉の自動販売機を静岡市内15カ所に

 「冷凍グルメ」とは飲食店が店で提供するメニューを冷凍化し、その開発から販売まで手掛けることを指します。現在、寿司までもが冷凍販売されるようになりました。

 県内でもイタリアンレストランや老舗そば店など、多くの飲食店で冷凍グルメを販売しています。また、冷凍グルメをより身近にしているのが自動販売機です。

画像2: お肉の自動販売機を静岡市内15カ所に

 例えばこちらは、業務用食肉卸のシズオカミートがはじめたお肉の自動販売機。静岡市内を中心に15カ所設置してあります。業務用のボリュームと価格がうりのこの自販機。コロナ禍で飲食店からの注文が激減した中、冷凍自販機で新たな販路を見つけることができたと言います。

冷凍自販機のラーメン、さてお味は

 裾野市にある人気ラーメン店「麺工房 海練(うねり)」でも
冷凍グルメの開発に力を入れています。冷凍自販機を店の前に2台設置し、冷凍グルメの開発から販売までを行っています。

林輝彦アナウンサー:「冷凍グルメを買ってみます。2番では買います。出てきた、結構重たい、出てきました」

画像1: 冷凍自販機のラーメン、さてお味は

 冷凍の場合、味の違いはあるのか? 店頭で出しているラーメンと冷凍ラーメンの食べ比べ。

林アナ:「こちらが冷凍グルメの方です、いただきます、おいしい。おいしさ全く変わらないです。お店で出している方と冷凍グルメの方、だしの香りと、豊かさ味わい、そして麺の感じも全然変わらないです。ちょっとびっくりしました」

画像2: 冷凍自販機のラーメン、さてお味は

 冷凍ラーメンの作り方はスープと具材が入った袋と麺を別々に鍋で温め、どんぶりで合わせるだけ。手軽に店の味が楽しめます。

店主「僕もいっぱい働くけど、24時間は働けない」

 店にとって冷凍グルメは「24時間販売可能」ということからメリットも大きいようです。

麺工房 海練 小田切真吾店主:「これ24時間働いてくれるので、いかんせん僕もいっぱい働きますけど、24時間さすがに働けないので、こちら本当にありがたい」

画像: 店主「僕もいっぱい働くけど、24時間は働けない」

 店主の小田切さんは、去年の8月に自動販売機を設置。きっかけは「新型コロナ」です。

麺工房 海練 小田切真吾店主:「コロナ禍で営業時間の短縮などがあったので、ちょっと、これだとお店もちょっとやばいなと思ったんで、それで置かせていただきました。こちらに補充するんですけれど、もう補充してもしても、お客さんが買っちゃうので、もうドライブスルー状態なんですよ、僕たちが補充するっていうよりも、手渡しでやった方が早いんじゃないかってぐらい、最初はもうお客さんが来ていただきました。導入したての時はもう店の売り上げの半分ぐらいの売り上げを売り上げました」

 現在、自動販売機で販売しているのはラーメンを中心に20種類以上。夕方には主婦が、夜間は1人暮らしの男性などが“夜食”として購入していくそうです。「今年の一皿の冷凍グルメ」は実際に店側としても今年を象徴する商品となっていました。

麺工房 海練 小田切真吾店主:「コロナ禍でも、これからコロナどうなるかわからないですけど、また感染者が増えたりした時には、こちらの自販機が助けてくれるんじゃないかと私は信じております。コストがかかるんですけど、立地だったり、宣伝の仕方だったり、いろいろ工夫をすれば、売り上げが立つんじゃないかと思っています」

 長引くコロナ禍で注目が集まる冷凍グルメ。県内でも新たな食卓の1品として、定着しつつあります。

        (12月17日放送)