被告人不在で結審の異例裁判…殺人未遂被告に懲役5年を求刑 少年2人を車ではねた事件 裁判長「留置先から出廷を拒否する言動。職員による引致は著しく困難」と説明 争点は責任能力

 静岡県藤枝市で少年2人を殺害しようとしたとした罪に問われている男の裁判で、検察は懲役5年を求刑しました。被告人不在のまま結審する異例の裁判となりました。

 起訴状などによりますと藤枝市の介護事業所の役員の男(40)は、2022年4月、軽乗用車でバイクをはね、乗っていた17歳と16歳の少年2人を殺害しようとした罪などに問われています。

 10日、静岡地裁で開かれた裁判で、冒頭、丹羽芳徳裁判長は「留置先の静岡刑務所から出廷することを拒否する言動が認められた。召喚を受けたにも関わらず、職員による引致を著しく困難にさせたとして被告人不在のまま進める」と説明。

 検察は犯行当時の精神症状は重篤なものではないとした上で、少年らから追い抜きやエンジンを吹かされたことに腹を立て反撃行為として犯行に及んだと主張。

 出廷拒否に関しては刑事裁判に向き合うのが嫌で、自己の刑事責任を問われる裁判と理解し拒否していると訴訟能力を有している。また母親に犯行を隠そうとする行為や捜査機関に対して「アクセルとブレーキを踏み間違えた」と弁解していたことから、悪いことだという認識があり、正常な心理に基づいて行動していることから、完全責任能力であったとして懲役5年を求刑しました。

 一方、弁護側は事件の原因は精神障害と主張。病気の影響でトラブルに直面し、心理的に追い詰められパニックになり物事の良し悪しの判断が出来なかった。少年らが死んでもやむを得ないと考える、極端かつ異常な動機は一般人では考えられないと無罪を主張しました。

 この裁判の争点は責任能力の有無で、判決は22日に言い渡されます。

静岡地裁
静岡地裁