すでに第8波突入か…コロナとインフル同時流行で5500人が受診できない事態も 専門医「ワクチン接種がカギ」 静岡県

 静岡県内では、11日までの1週間で1万1185人の新型コロナ新規感染者が確認されました。前の週に比べて1.3倍となっています。病床使用率は、県全体で40.5パーセント。新規感染者の増加を受け、県は「感染再拡大警報」を出しました。

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5500人が受診できない事態にも

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静岡県 川勝平太知事(11日):「明らかに感染が拡大しています。このため本日から、これまで感染再拡大注意報でありましたけれども、これを感染再拡大警報に引き上げます」

 県によると、直近1週間の感染者数が前の週の1.4倍を上回る数値が1週間続いたため、11日付で「感染再拡大警報」を発令したということです。

 また、この冬の感染拡大の想定も発表されました。

静岡県 川勝平太知事(11日):「起こる可能性があると危惧されているコロナとインフルエンザの同時流行。ピークが重なった場合を計算しますと、県内では1日2万5000人生じるという計算結果。一方で発熱等診療医療機関等における診療可能な人数は、本県の場合、1日あたり1万9000人程度ですので、最悪の場合は約5500人が受診できないという状況ともなりかねません」

「第8波の入り口は過ぎ去って、これから増えてくる」

画像: 「第8波の入り口は過ぎ去って、これから増えてくる」

 県内で感染者数が増加傾向にあることについて、浜松市感染症対策調整監の矢野邦夫医師は…。

浜松医療センター 矢野邦夫医師:「第8波の入り口は過ぎ去って、これから増えてくると思います。今、関東地域の方が静岡県よりもっと感染者数が多いんですけども、そういったところから人が流れて来るので、人の動きが大きく関与していると思います。今後どうなるかというと、北海道を参考にすると1カ月以内に大きな波が来ると予測されますし、その大きさは第7波と同等もしくはそれ以上というような予測もされると思います」

 感染拡大で懸念されるのが医療体制です。現在の状況はというと…。

浜松医療センター 矢野邦夫医師:「まだこれから増加し始めるところですけど、やはり入院患者に関しては、高齢者が入院しているような状況。若い方の場合は症状が強くないことも多いと思いますけども、病棟としては高齢者が多い、そんな状況ですね。これ以上病床使用率が増えてくると心配になります。今回第7波と同等もしくはそれ以上の感染者数が出てくると思うと、重症化の割合が例えば同じでも実際の数としては多くなりますので、それが医療をひっ迫してくる可能性は今後心配されます」

接種会場にはこれまでの倍の人が

 こうした感染状況の中、接種会場には変化が…。

伊地健治アナウンサー(11日):「静岡市にある県の大規模接種会場です。ワクチンの接種間隔が3カ月に短縮されたことも影響しているのでしょうか。ワクチンを打ちに来る方は1カ月ほど前に比べて倍近くに増えているということです」

画像: 接種会場にはこれまでの倍の人が

 県内の新型コロナワクチンの接種回数は10月上旬ごろは1週間で平均5000人ほどでしたが、直近1週間では1万人を超えています。1カ月で接種回数が2倍以上になったことについて、県の担当者は…。

静岡県新型コロナ対策推進課 大路修平班長:「一つはオミクロン株対応ワクチンを打つまでの接種間隔が、5カ月から3カ月に短縮されて、今年の夏ごろに4回目接種を終えた60歳以上の方々に接種券が配られ、今予約していただいて来ている。もう一つは最近、感染状況が拡大傾向にあるということで、危機感があってワクチンの接種を考える方が多いと思う」

 接種した人に話を聞くと…。

5回目接種 60代
「(4回目から)3カ月ちょうど空いた。(感染者が)増えてきているのと、自分が出かけたりするのに安心かなと思って来た」

5回目接種 50代
「ちょっと感染者の数も増えているし、打てるものなら打った方がいいと思って来た。自分も基礎疾患があるので、重症化すると嫌だなと思って」

若い世代の接種は「あまり進んでいない」

 新規感染者の増加がワクチン接種を後押ししていると言えそうです。一方で、接種を希望する人には年代差があるといいます。

静岡県新型コロナ対策推進課 大路修平班長:「今50代が一番多く打っていて、一方で若い方についてはあまり進んでいない状況。(どの年代でも)ワクチンは有効な手段なので、コロナ・インフル、それぞれのワクチンの接種を検討いただきたい」

画像1: 若い世代の接種は「あまり進んでいない」

 県の大規模接種会場は、静岡市葵区の「もくせい会館」に加えて、袋井市の「パティオ袋井」で11日から、沼津市の「プラサヴェルデ」では9日から接種を再開しています。

 新型コロナとインフルエンザの「同時流行」が懸念されるこの冬。矢野医師は、ワクチン接種がカギを握ると言います。

画像2: 若い世代の接種は「あまり進んでいない」

浜松市感染症対策調整監 矢野邦夫医師:「ワクチン打って3カ月ぐらいすると、効果がだんだん落ちてくる。ただ、ワクチンを打つと3カ月間は感染予防効果もかなり期待できるものですから、今、もう1回打っておくと、この冬を乗り切れるんですね。だからインフルエンザが流行したとしても、コロナに感染しにくい状況を作れるので、ちょっと(副反応で)熱が出ようが、今年の冬は打ってほしいと思いますね」

                      (11月12日放送)