4年前の台風で19.5キロが不通…2029年の全面開通めざし復旧作業 観光鉄道化で大幅値上げの井川線の戦略は 大井川鉄道
4年前の台風で大きな被害 19.5キロが今も不通 復旧作業の状況は
4年前の台風で、線路に土砂が流れ込むなど、大きな被害を受けた大井川鉄道。「大井川本線」は、島田市の川根温泉笹間渡駅から川根本町にある千頭駅までの19.5キロの区間が、今も不通となっています。去年12月から島田市内で始まった土砂の撤去。3月までには作業が終わり、川根本町の復旧工事にも着手しました。
石上雄基ディレクター(川根本町下泉 16日):「大井川鉄道の災害復旧工事は、先月から川根本町でも始まっています、こちらの現場では斜面から流れ込んだ土砂を撤去する作業が行われています」
周辺には道路がなく、土砂は、レールの上を走ることができるダンプに載せられ、下泉駅まで運ばれています。
大井川鉄道 鴨田善英鉄道部長:「土砂の量は(川根本町内に)1700㎥ほどある。流入土砂撤去の進捗としては、2~3割程度の搬出にとどまっている」
「大井川本線」の復旧工事の費用は、およそ21億円で、国や県、島田市、川根本町からの支援を受けて、工事を進めています。
大井川鉄道 鳥塚亮社長:「正直な話、普段使いで地域の方が使っているかというと、なかなかその割合は低いと思
う。にもかかわらず、大井川鉄道に対して、これだけ予算をつけてもらえるということは、それにきちんと応えていくことが、我々の使命だと感じている」
「大井川本線」では、来年春までに、全ての土砂を撤去し、全線での運転再開は3年後の2029年を目指しています。
川根本町40代男性:「やっと(工事が)できた」
川根本町70代女性:「孫たちも島田の高校に行っているが、途中までバスで行って通っているから、かわいそう」
川根本町80代男性:「観光の面でもいろいろ助かると思うので、なるべく早く開通できればと思っている」
大井川鉄道によりますと、復旧工事が終わった区間から、順次開通させる計画だということです(2027年秋地名駅まで、2028年秋 下泉駅まで)。
大井川鉄道 鳥塚亮社長:「一歩ずつ進んでいるということを見せて、期待を持ってもらえるのではというのが、部分的に、少しずつ(開通区間を)伸ばしていくという意味だと考えている」
井川線「観光列車化」で料金2.6倍 その背景は
大井川鉄道をめぐる大きな動きが、もうひとつ。井川線の「観光列車化」です。現在、千頭駅から井川駅までの運賃は、1340円。これが7月1日から、全区間共通で3500円に値上げされます。日本で唯一、急勾配を上ることができる「アプト式電気機関車」や、絶景駅として知られる「奥大井湖上駅」など、多くの観光資源がある「井川線」。乗客のほとんどが観光客で、ここ数年で外国からの観光客も増えたと言います。
鳥塚亮社長:「地域利用者がいないのに、地域利用があることを前提に、安く設定される運賃で観光客を乗せているというのは、構造的に問題があると我々は考えていて、観光列車化をしようという話を切り出した」
先週木曜日の千頭駅。平日にも関わらず、多くの鉄道ファンや、観光客が集まっていました。
(父:豊田市、母&息子:浜松市から)
Q:きょうはなぜ井川線に乗る?
父「値上がり前の“駆け込み”で来ました」
Q:井川線の好きなところは?
子「トロッコ列車」
Q:観光列車化で値上げだがどう思う?
父「適当な値段だと思う」
2週間後に迫った「観光列車化」で、「井川線」は、どのように変化するのでしょうか? その一部が、静岡朝日テレビの取材で明らかになりました。
大井川鉄道広報 山本豊福さん:「7月からの観光列車化
に伴い、お弁当とのセットプランを考えている。きょうはテレビ初出し!」
セットプランでの提供が検討されているこちらのお弁当。「アマゴのから揚げ」や「川根茶と大豆のかき揚げ天ぷら」「しいたけのフライ」など、井川線沿線の食材がふんだんに使われています。
伊地健治アナウンサー:「素敵な景色の中で食べるお弁当は最高ですね」
さらに、接岨峡温泉駅(せっそきょうおんせん・えき)では…。
山本さん「こちら見てください」
伊地健司アナウンサー「目の前に建物が」
山本さん「ここの森林露天風呂と、乗車と露天風呂入浴券を組み合わせたセットも考えている最中」
沿線の飲食店や、温泉宿との打ち合わせを重ね、観光列車化に向け、着々と準備が進められています。
大井川鉄道 鳥塚亮社長:「一緒に観光列車を作り上げていく作業は、永遠に続くと思う。トーマスとか、いろいろ仕掛けを作ってやっていく努力はするが、事業計画的には、100%被災前に戻るのか疑問符が付く。井川線から収益が来るようになれば、(大井川本線と井川線)2つの路線を合わせたトータルとして、会社が維持できる、こういう考え方」