【新型コロナ】感染者情報どこまで公表? プライバシーと予防の狭間で… 静岡県は原則市町、年代も3区分に広げる

静岡県はこのほど、新型コロナウイルスの感染者の情報について、原則、住所は市町まで、年代も少なくとも「未成年」「成人」「高齢者」の3区分を公表することを決めました。

画像: 静岡県 川勝知事

静岡県 川勝知事

 何歳代という詳しい年代については、公表には本人の同意が必要で、性別も同意がなければ公表しません。すでに運用を始めています。これまでは感染した人が公表に同意しなかった場合、住所は○○保健所管内、性別や年代は明らかにしていませんでした。

 21日の川勝知事と市長会との意見交換会で、「保健所単位だと自分の市の状況が分かりにくい。市は把握していても、市民に情報を出しにくい」と、市町の公表を求める意見が出ていました。

静岡県 川勝平太知事(21日)
「感染者の情報提供ですが、プライバシーの確保と保健衛生上の必要性。このバランスをどうとっていくか、今のところ、市町のレベルまで明確に言った方がいいと判断している。ただし、プライバシーを侵害したり、特定されて風評が広まっている事態が生じているので、よく事情を見ながら、正確な情報を県民に提供していく」

 感染者の情報公開をめぐっては、静岡県の会見で記者が公表範囲を広げるよう求める場面もありました。この時は、県の担当者が「調査は十分にしている。調査と公表は別問題で、年代や性別の公開が感染防止につながるか、明確な理屈がない」と説明していました。

 この件に関して、ネット上では、「若い世代に感染が広がっているか知るためにも、年代は貴重な情報」「保健所管内といった発表だと、たとえ感染した人がいても、感染マップではその市町は感染ゼロのままになってしまう」と公開の範囲を広げた方がいいとする声がありました。

 その一方で、「どこにもウイルスがいると思って、感染予防を徹底した方がいい」「年代性別も、○○市在住も不要。知ったところで気を付ける上では何も変わらないし、自分が感染して個人情報が特定される方が怖い」と、公開範囲を広げることに反対の意見もありました。