コメは安くなるのに農家は苦しい? 新米シーズンに浮かび上がる矛盾 コメの値下がり加速で農家「このままでは離農も」

柳貴斗ディレクター:「静岡県菊川市の田んぼでは、県内でも最も早いなつしずかが収穫を迎えています」

 静岡でも、新米シーズンが始まりました。先週金曜日、県内のJA管内で最も早く行われた早場米の収穫。静岡生まれの極早生品種「なつしずか」は、適度な粘りと、さっぱりとした口当たりが特徴です。こちらの田んぼでは、高温障害の対策として、例年より2週間ほど早く田植えをしたということです。

コメ農家 長谷川正之さん:「穂が出てから気温が高くなかったので、収穫までちょっと時間がかかったんですけど、その分いいものが取れたと思います」

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コメの価格は

 新米の収穫が始まった中で、店頭に並ぶ去年取れたコメの価格は…。

ヒバリヤ 山岸達也さん:「こちらが今扱っている中で、一番安いブレンド米になります」

Q.価格が税抜2380円
A.「備蓄米と同じぐらいの価格で買えますので、かなり安い商品になっている。「ゆめぴりか」や「歓喜の風」、このあたりが銘柄米で一番安い商品」

 銘柄米は去年10月ごろと比べて、1500円ほど値下がりし、最も安いもので5キロ3239円。そのほかも、4000円以下のものがほとんどで、ブレンド米に至っては、最も安い商品で5キロ2571円です。

静岡市民50代:「下がりましたね。前は4000円近かったでしょ。ちょっと買いやすいですよ。1000円違うと大きいから」

静岡市民80代:「安くなったね。やっぱりこれぐらいじゃない、農家の人のこと考えるとね」

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全国平均5キロ3311円 5週連続値下がり

 コメの値下がりは全国的な傾向です。農林水産省によりますと、7月26日までの1週間で、全国のコメの平均販売価格は5キロあたり3311円。5週連続の値下がりです。

ヒバリヤ 山岸達也さん:「問屋に在庫が滞留しているところが新米(の流通)に向けて、吐き出す形になるところで価格が下がってきているのかなと思います」

 値下がりの理由が、「コメ余り」です。6月末時点でのコメの民間在庫量は、過去最大の243万トンに。農林水産省によれば、2026年産米の生産量は732万トンにのぼり、予想される需要の最大711万トンを上回る見通しです。この結果、来年6月末の民間の在庫量は最大で281万トンと、過去最大となった今年をさらに上回るとされています。

 新米の流通が本格化すれば、去年のコメはさらに値下がりするとみられています。

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ヒバリヤ 山岸達也さん
Q.新米が店頭に並ぶと価格は?
A.「今の予想だと税抜き2500~3000円に着地すると予想は出ていますけど、そうなると、それ以上の価格のお米も出てくるので、どうしようかというのが今の検討材料」

 この日、長谷川さんの田んぼで収穫された新米の「なつしずか」。来週にも、県内のスーパーなどに並ぶ予定です。

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コメ農家 去年1俵2万9000円→今年2万円

コメ農家 長谷川正之さん:「大幅な下落は心配です。実際厳しいです」

 去年は1俵=60キロあたり2万9000円で卸していたそうですが、今年はおよそ2万円と、1万円近く価格が下がる見込みです。

コメ農家 長谷川正之さん:「おととしがそれぐらいだったので、その時はまだ資材もここまで上がっていなかったので、なかなか厳しいラインじゃないかなと思います。継続して生産というのはなかなか厳しくなってくると思います」

 今後のコメの取引価格に大きくかかわってくるのが、JAが農家に支払う前払い金=「概算金」です。早場米の産地では、コシヒカリ60キロあたりの概算金が軒並み下落。宮崎で1万8000円、高知で1万4000円と、去年と比べて4割も下落している地域も出ています。

 袋井市の農家によれば、JA遠州中央から4日に提示されたばかりだという、コシヒカリの概算金は、1万4000円。去年の2万4000円から1万円の引き下げです。

県内のコメ農家;「経営的にはかなり苦しくなる。この額では設備への投資が全くできず、離農する農家も増えるだろう」

 販売後に追加で支払われる精算金を合わせたとしても、コメ60キロを生産するのにかかる費用を示した「米のコスト指標」、2万535円のラインを下回る可能性も…。

 消費者にとっては手に取りやすい価格に向かう一方で、生産量が需要を上回る状況が続けば、生産者によっては負担が増していくことになるコメ価格。概算金の大幅な下落は、“生産者のコメ離れ”を招きかねません。

コメ農家 長谷川正之さん:「安定した金額で推移してほしいと思います。お米の価格が下がっているのはいいと思います。でもあまり下がるのも僕らも困っちゃうので、生産者もお客さんも納得できる金額で落ち着くのが一番いいと思う」

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