J1復帰を目指す清水エスパルスの本拠地は新設?改修?市長肝いり事業も、清水庁舎移転問題もあり市民の反応は…

事務局員:
「JR清水駅東口、ENEOS株式会社清水製油所跡地を最有力候補地とすることについて街づくりの観点や交通アクセスの面などから期待する意見が今回多く寄せられた」

 7日、静岡市で開かれたサッカースタジアム新設に向けた検討委員会。

 最有力候補地として示されたのは、JR清水駅東口の「ENEOS製油所跡地」でした。

 現在Jリーグ・清水エスパルスの本拠地であるIAIスタジアム日本平・アイスタは、屋根の仕様がJリーグの基準を満たしておらず、改修の必要に迫られていて、検討委員会はこれまで、「製油所跡地」に整備する案と、アイスタを改修する2つの案について協議してきました。

 市民916人が回答したアンケートで「製油所跡地」の方が支持を集めたということです。

サッカースタジアム検討委員会 木宮敬信会長:
「これを具体化していく段階では市全体の防災計画などの関連性も当然出てくる話なので、今年は場所をというところまでの話なので、具体的な話は来年度以降、そういったところも踏まえて検討していくということになると思う。ありがとうございます」

画像: J1復帰を目指す清水エスパルスの本拠地は新設?改修?市長肝いり事業も、清水庁舎移転問題もあり市民の反応は…

田辺市長「JR清水駅しか選択肢がない」

清水にサッカースタジアムを建設することは、今季限りで退任する田辺信宏市長、肝いりの構想でした。

田辺市長(2019年):
「サッカースタジアムの建設を目指し構想づくりに着手する。駅に近い交通アクセスの良いところということが望ましいと思っている。具体的にはJR清水駅しか選択肢がありません」
 
 念願の構想実現に向け、一歩前進したように見えますが、津波や地盤の液状化対策などが必要で、そのコストなどについては不透明なまま。

 そのため、7日の検討委員会でも、解決が難しい場合の代替案として、アイスタを改修する案もそのまま残る形となりました。

サッカースタジアム検討委員会 木宮敬信会長:
「二つの案を提示していくと言うのは、できるだけ1に戻って、また0からやり直しということにならないように、同時並行的に保険をかけていくという、こういう意味合い。今年度の結論というような形で提示するということになると思う」

画像: 田辺市長「JR清水駅しか選択肢がない」

清水エスパルス側は?市民は?

委員会終了後、取材に応じた清水エスパルスの山室晋也社長は…。

清水エスパルス 山室晋也社長:
「悲願の新スタジアムの大きな一歩を踏み出すことができる。いろいろな課題がこれからあるが、それを1つ1つ解決していく。これから実行力が問われる」

 地元の人は、清水の活性化につながることを期待しています。

清水区民 70代:
「今のところは古いには古い。サッカーだけでなく他の催しもできるようだったら、つくった方がいいと思う。ここに新しいものができれば、もうちょっと活気が出るんじゃないかなと」

清水区民 10代:
「(IAIスタジアムは)いざ行こうと思っても案外遠いなって感じたりしてたので、すぐそこにできるんだったら、すごく行きやすくなると思う。清水がサッカーの街でアピールしていくという面では、そういうところにお金をつぎ込んでもアピールになったら最終的にはいい流れが来ると思うので、別にいいと思う」

画像: 清水エスパルス側は?市民は?

桜ヶ丘病院移転や庁舎移転にも影響が

新スタジアム構想がゴールに近づく一方で、課題が山積したままなのが…

 清水庁舎移転問題。

 市は老朽化が進む清水庁舎をJR清水駅東口に移転させ、今の庁舎の場所には、同じく老朽化の問題を抱えていた桜ヶ丘病院を移転させる考えでした。

 駅の近くに市役所と病院を造ることで、住民の利便性が高まるとして田辺市長はこの案を推し進めようとしていました。

 しかし、移転予定地が津波に浸水する恐れがあるとして市民の不満が爆発。

 市長と市民の対話は紛糾しました。

市民(2018年):
「津波というのは想定した中で起きるものはない。一つも」

田辺市長:
「想定外のことも考えてレベル2の解析をしてるんです。だから…聞いてください!聞いてください!ぜひ聞いてください!」

 さまざまな議論の結果、おととし、桜ヶ丘病院が清水駅東口公園に移転することが決定。

 庁舎移転は計画の大幅な見直しが迫られていました。

画像: 桜ヶ丘病院移転や庁舎移転にも影響が

庁舎整備検討委員会では

そんな中、きのう-。

委員長:
「それでは静岡市清水庁舎整備検討委員会の報告をお渡しします。どうぞよろしくおねがいします」

市長:
「闊達な議論ありがとうございました。承ります」

 これまで庁舎の整備方針を検討してきた委員会が、市長に報告した結論は…。

清水庁舎整備検討委員会 恒川和久委員長:
「我々の結論としては現庁舎が抱える耐震性や設備の劣化等の課題に対応する改修を行って、引き続き使用するというのをまず1つの結論とした。改修については20年以上をめどにして、どのような大きさにするか、どのような改修を行うのかという具体的なことについては、今後検討をしていくことになるかと思う」

 移転先としていた清水駅周辺は、桜ヶ丘病院の移転や新スタジアムの最有力候補地となっているため建設は難しいと判断。

 さらに、新型コロナによる計画の見直しなども考慮した上で、現在の庁舎を最低20年以上運用できるように改修すると結論付けたのです。

田辺市長: 
「私自身、清水庁舎をこれからどうするのか、大変重要な行政課題の一つと承っていた。議論の結論を尊重してこれを今後の行政へ反映をさせていきたいと思っている」

 報告書には「将来的には移転が望ましい」とされていて、あと2回予定している検討委員会では、今後改善すべき庁舎機能について意見を交わすということです。

 現庁舎をそのままの場所で改修することについて、地元の人は…。

清水区民 20代:
「今のところが一番ちょうどいいかなとは自分的には思う。確かに海が近いんでそういった(津波の)リスクとかはあるかなと思う。でも、とりあえず今のところは近いので、特に自分的には何か弊害があったりとかはしない」

清水区民 20代:
「もしこの先地震とかが来て津波とか来てという被害を考えると、どのくらい金額差があるのか正直わかんないが、新しい場所に建っていた方が、将来的にはよかったのかなとい感じもする。もしお金を使って新しくしたのに、結局その場所もダメになってしまったら、そこにもう一回きれいにした意味があまり感じられないし、この先の不安は確かにちょっとある」

画像: 庁舎整備検討委員会では