開館から4年の静岡市歴史博物館 完成まで紆余曲折があった博物館の今は…観光施設としての側面と貴重な史料の保管といった側面の両立が課題

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 開館から4年を迎えた静岡市歴史博物館。完成まで紆余曲折があった博物館の今を取材しました。

●髙山優樹記者:
「駿府城公園と共に、静岡市を代表する観光スポットとして期待されオープンから4年が経った静岡市歴史博物館。現在の展示品やにぎわいはどうなっているでしょうか」

 博物館は地上3階建て。戦国時代の道の遺構などが展示される1階部分は入場無料、徳川家康や今川氏を中心とした基本展示や企画展などは有料です。

 東京学芸大学名誉教授でもある大石学館長に館内を案内してもらいました。

●静岡市歴史博物館 大石学館長:
「このコーナーは、徳川家康が段々力をつけてくる、そのプロセスが見えてくるというところ」

Q.これは実際の徳川家康が書いた書状?
●静岡市歴史博物館 大石学館長:
「そうですね、家康の(直筆の)花押が入っていて。直筆の文書、実物です」

 この書状は、豊臣秀吉との戦いを前に家康の味方となった、現在の愛知県にいた武士たちに向けて送られたものです。

●静岡市歴史博物館 大石学館長:
「家康が一番長くいたところが駿府でとても重要な場所ですし、家康の資料がいっぱい残っている場所。それを本館がカバーしている」

 73年の生涯のおよそ3分の1を駿府=今の静岡市で過ごした家康。その貴重な史料を保存する役割も歴史博物館にはあります。

 館長一押しの10月から展示予定の所蔵品を特別に見せてもらいました。

●静岡市歴史博物館 大石学館長:
「なかなかでしょ? 家康が持っていた、愛用したと言ってもいいかもしれません、そういう貴重な刀」

 幕府成立の7年後に、家康が「大御所」としての権威を示すために駿府の地で作ったとされるこの刀。260年間続いた「徳川の平和」を象徴するものだといいます。貴重な歴史を伝える場所にもなっているこの施設。実は1980年代から構想が始まっていた静岡市のビッグプロジェクトでした。

 時計の針が進んだのは、田辺前市長時代。市長肝いりで計画が進んでいましたが、川勝前知事との対立材料にもなりました。

●川勝前知事:
「歴史博物館が必要なのは知っているが一旦ガラガラポンにするべき」

●田辺前市長:
「これから静岡の歴史を体感してもらうエリアとして進めていくということなので、まったく二重投資ではない」

 開館当初、田辺前市長は年間来館者数の目標を50万人としていましたが、開業初年度の来館者数は大幅に下回る16万5000人。

 難波市長は去年1月、「過大な目標設定は適切ではない」として目標を18万人前後に下方修正しました。

 総事業費は62億円、現在も年間で3億4000万円以上の税金が投入されている博物館の「現在地」について難波市長はー

●静岡市 難波喬司市長:
「ソフトの面で相当取り組みが進んできていると思いますので、そういった点では順調に推移しているんではないかなと、最近はです。当初はちょっと厳しい状況があって、私もだいぶ苦言は言いましたけども」

 一方で、博物館の展示品は「これを見なければ」という目玉となるものに乏しく、複製品が目立つのも事実です。

 大石館長にズバリ聞いてみるとー

●静岡市歴史博物館 大石学館長:
「それに対していろんな議論がありますよね。ですが、まず一つ確認できるのは、本物っていうのは2つとない大事なもので、それは保存しなきゃいけないし、後世に伝えなきゃいけない、本物ならではの価値というものを私たちは見なきゃいけない。本物でないものはだめだという考え方じゃなくて、もっと自由に光を当てたり、写真を撮ったり、裏から見たり、触ったり、いろいろなことができます」

 博物館の観光施設としての側面と教育や研究、貴重な史料の保管といった側面の両立をどのようにとるのか。

●静岡市 難波喬司市長:
「エンターテイメント性を重視して、もっともっと人を入れるということではなくて、やっぱり博物館としての機能はしっかり守っていかないといけない」

 静岡市では別途、駿府城天守のVRシアターの計画が進んでいます。博物館との相乗効果や役割の棲み分けなども今後の課題となります。

 JR清水駅前の新スタジアム構想やJR東静岡駅前のアリーナ構想など、さらなる大規模プロジェクトが進もうとしている静岡市。

 歴史博物館の経緯と今を考えることは、それらへの教訓にもなりえます。

開館から4年の静岡市歴史博物館 完成まで紆余曲折があった博物館の今は…観光施設としての側面と貴重な史料の保管といった側面の両立が課題