【新型コロナ】感染者急増の浜松市 街に漂う自粛ムード「民間レベルでは限界」

 クラスターが発生し、感染者が急増している浜松市では、自主的に休業している店も少なくありません。賑わいと安全の確保、街は難しい問題と直面しています。

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 浜松市の中心市街地に店を構える飲食店「道南農林水産部」。北海道の新鮮な食材を使った料理を提供しています。夜に営業している市内の飲食店で、クラスターが起きたことを受け、おとといから夜の営業をやめてランチのみとしました。
道南農林水産部 入船修蔵店長:「来る方の不安とか、働く人の不安を考えると、いったん夜の部分は閉めようということで」
 営業の全面休止も検討しましたが、店の経営や街の賑わいが失われることを考え、昼は営業を続ける決断をしました。休業要請が解除され、5月に営業を再開してから客足は徐々に戻り、去年の7割ほどまで回復していました。
 しかし、今月、クラスターが確認されて、去年の2割ほどまで激減しました。
道南農林水産部 入船修蔵店長:「クラスター発生から予約がすべてキャンセルになっている。町は危ないという感覚があるのかなと思う」
 本来、夜の営業で使うはずだった食材は、行き場を失っています。低価格に設定しているランチメニューに、原価の高い貝などは使わないといいますが、赤字覚悟での提供を検討しているということです。
道南農林水産部 入船修蔵店長:「きょうはこんなのが入ったので、ぜひ街に来てくださいというのは、大々的には言いづらくなっている状況、厳しい状況にはあります」
 感染のリスクから休業を選ばざるを得ない飲食店は増えています。街に漂う自粛ムードに商店界連盟も危機感を募らせています
浜松商店界連盟 御園井智三郎会長:「このままの状態が長引けば、もう街中の事業主はほんとになくなっていく。何か個々にできることを、アイデアをひねってやらなければいけないと思っている」
 対応に頭を悩ませる商店街。行政の協力が欠かせないと訴えますが、これまでに市から休業や補償に関する具体的な方針は出されていません
浜松商店界連盟 御園井智三郎会長:「民間レベルでは何か事を進めるのも限界がある。自粛的なものも、民間に任せっきりな部分がある。指針がはっきり出ていないというのが、なんともじれったい」
感染の不安軽減と賑わいづくりの両立。難題に直面する街から人の姿が減っています。