【シリーズ移住促進 静岡】仕事はそのまま、住まいは静岡市 テレワークをキーワードに追い風
こちらのキャッチフレーズ、「仕事はそのまま、住まいは静岡」、転職はしないで移住をする。転職が移住の最も高いハードルと言われていることから、静岡市は、2年前からテレワークを活かした移住政策を進めていました。当時は、なかなか浸透しませんでしたが、コロナ禍で大きく状況が変わりました。
大西彰さん
「最初のころ場所の確保が課題じゃなかったっけ?」
部下
「こだわってワークスペースを作りこんでいったら快適になっちゃったんで」
移住は子供の為 テレワークで仕事
4年前、東京から静岡市に移住してきた大西彰さん。IT大手日本IBMに勤務していて、
これまでは、都内の職場に往復4,5時間かけて新幹線通勤をしていました。ところが、新型コロナの影響で会社は2月中旬からテレ―ワークにシフト。それ以降、一度も都内には出勤していません。
都内から4年前に静岡市に移住 大西彰さん
「週に5回通勤するとそれで20時間、約1日、1週間に1日、移動でつぶれていたのが無くなって自分のものになるのはいいこと」
大西さんが静岡市に移住を決めた理由が、子どもたちです。緑の多い環境で豊かに育てたいという思いからでした。テレワークに切り替わったことで家族と過ごす時間も増え、移住生活がさらに充実したといいます。
大西彰さん
「これから確実に移住の選択肢は変わると思う。地方で豊かに過ごすことでいろいろなアイデアが出てきて新たなイノベーションが沸き立ってくるような源泉ができてくるといい」
コロナ禍で意識の変化 移住相談が増加
静岡市は、2年前からテレワークを活用した移住政策を進めてきました。しかし当時は関心が低く、年間50人ほどいる市への移住者の中にテレワークという選択で移住を決めた人は一人もいませんでした。
静岡市企画課 移住・定住推進係 奥平結 主任主事
「会社に行かずに仕事が出来るのかという意識が皆さんに根付いていた。現実的な選択としてなかった」
しかしコロナ禍で状況が一変。テレワークが一気に浸透し、移住への注目も高まりました。これまで月に20件ほどの市への移住相談が、6月は40件近くあったといいます。
静岡市企画課 移住・定住推進係 奥平結 主任主事
「首都圏の密な環境のリスクを避けるという意味では、地方への分散が進められていくと思うので。今、可能な限り静岡市のPRに努めていきたい」
企業も地方へ サテライトオフィス
さらに静岡市は「テレワーク」をキーワードに企業の誘致も進めています。この日、市の担当者が訪れたのは・・・・
東京に本社があるIT企業「エイ・アイ・エス」の大浦博社長。先月下旬、静岡市にサテライトオフィスを作り、今後10人ほどの採用を計画しています。
エイ・アイ・エス 大浦博 社長
「採用がおかげさまで40人くらいエントリーがあり履歴書を頂いてここで静岡の方を面接します。いろんな意味で地方に宝が転がっている」
石田和外アナウンサー
「エイ・アイ・エスが今回借りたオフィスがこちらのブースです。そして採用予定の10人の社員は、こちらのコワーキングスペースで仕事をします」
静岡市での拠点作りを進めるエイ・アイ・エス。この共用オフィスを活用することで、東京で同じ10人を雇用するのに比べ、環境整備費用は5分の1ほどで済むといいます。
IT企業 エイ・アイ・エス 大浦博 社長
「コストの問題や採用の問題も東京に比べると本当にメリットが大きい。WEBをベースにしているので東京にいる必然性がなくなってきている」
静岡市企画課 移住・定住推進係 奥平結 主任主事
「地方に来ていただいてテレワークで同じような仕事ができるというところさらに静岡市で求人も出して雇用もしていただけるというところ市内の企業も活性化していくのでありがたい」
「テレワーク」をキーワードに追い風が吹き始めた静岡市の移住政策。関心の高まりを定住人口の増加につなげるには、時間をかけた地道な取り組みが必要です。