5万2300人の民意は届かず…住民投票条例案は否決 清水庁舎移転問題で、静岡市議会

 5万2300人の有権者の声は届きませんでした。静岡市議会で審議された清水庁舎移転の是非を問う住民投票条例案は、反対多数で否決されました。

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 静岡市議会で、清水庁舎移転の是非を問う住民投票条例案の採決が行われ、賛成8、反対36で否決されました。本会議後、田辺市長はこのように話しました。
静岡市 田辺信宏市長:「賛成反対、民主主義なので様々な意見がありました。賛否は問わず、私自身は市長として厳粛に真摯に受け止めなければならないと思う。しかし一方で、決めていかなければならない、決めた責任は私にあるので、反対の方には申し訳ないという思いを持ちつつも前に進めていく」
 清水庁舎の移転をめぐっては、新しい庁舎を津波浸水想定区域に建設することに反対する市民団体が、移転の是非を問う住民投票を求めて署名活動しました。住民投票条例案の直接請求に必要な有権者の署名数の4倍以上となる5万2300人分の署名を集め、田辺市長に提出。市民団体はきょうの本会議を傍聴し、その結果を受け止めました。
静岡住民投票の会 神戸孝夫共同代表:「5万2300筆の署名をいただいた皆さんに、否決の報告をしないといけないことは残念で、力不足を感じている」
 この問題をめぐっては、市議会の総務委員会で反対多数となった翌日、川勝知事は
田辺市長や市議会の姿勢を強く批判しました。
静岡県 川勝平太知事:「静岡市長・静岡市議会は天下に恥をさらしたのではないかと受け止めている。今回の住民投票は、不信任票という形で突きつけられている」
 市民団体が要望した田辺市長との面談は実現せず、条例案は市議会の過半数を占める自民党の反対などで否決されました。議会の賛同なしに住民投票を実施できない現在の仕組みが高い壁となりました。
静岡住民投票の会 神戸孝夫共同代表:「市民にまったく寄り添う気持ちをみせなかった田辺市長、条例制定請求に対して、自分たちの過去の行動を反省することなかった不要論を展開して、突っ込んだ議論をすることなく、議会で否決した議員の行動は
良くも悪くも静岡市の不名誉な記録として保存されることになった」