「誰が静岡県のせいにしているのか」。語気を荒げて非難しました。

 リニア中央新幹線のトンネル工事の現場に向かう作業道は、今月の大雨で新たな被害が出ました。安全面を問題視する川勝知事が現地を視察しました。

市川瑠生記者
「トンネル工事現場への林道を15分ほど進んできた。この先道路が崩壊しているため川の中に設けられた仮設の道を進む」

 前回の視察から1カ月余り、異例の短期間で再び現地に入った川勝知事。その目的は今月に入って続いた大雨で被害を受けた作業道の状況を確認することです。

市川瑠生記者
「先月の視察時には、この先も道幅の広い道路が続いていたが、今はすぐ手前まで水が流れている。かなり水が増えていることが分かる」

 知事が視察したのは、作業道入口から3・8キロの地点。河川の中に作られた仮設道路は、大雨の影響で約1キロにわたって流されました。

県担当者
「路肩が7月の雨で(崩れている)」

静岡県 川勝平太知事
「復旧にどれくらいかかるか分からないが、工事をやらせてくれというのは、机上の空論」

 むき出しになった山肌に、崩落して寸断された道路。ここは静岡市中心部から80キロ余り離れた山間部、リニア新幹線のトンネル工事現場へと約27キロ続く林道東俣線です。大井川の水問題を議論する国の有識者会議の結論が出ていないことに加え、川勝知事がJR東海の求める先月までのヤード整備開始を認めない理由に挙げたのが、作業道の安全性です。
 JRを後押しする形で県に着工の了解を求めた国交省・藤田事務次官との10日の対談でも、この話題が議論されました。

川勝知事
「そんな危険な状況の中で、西俣ヤードだけ集中的にやると。畑薙から27キロ寸断された道路を行かなくてはならない。それ(復旧)をやらないで、西俣の工事だけやりなさいというのは本末転倒。現場を踏まえていない議論だと思いますね」

藤田耕三事務次官
「今回の雨の被害もあったと思います。復旧見通しがまだ立っていないということですが、それを踏まえて工程はJR東海が考える、今できることを進めていく」

川勝知事
「できることは、まず安全を確保すること」

藤田耕三事務次官
「それと条例の手続きは、どのような関係があるのでしょうか」

 林道東俣線は、去年の台風19号により道路の3カ所が崩落し、一部の区間で今も通行止めが続いています。今回、新たに1カ所で崩落があったほか、作業道が冠水するなど4カ所で被害が確認されています。

川勝知事
「ものすごい流木の量ですね、集中豪雨の厳しさを、流木の量とこの場所がよく示している」

 作業道が寸断され、現状ではヤード整備の現場まで行けないことを確認し、視察を終えました。台風19号で被災した道路の復旧は、9月末の見込みで、知事は改めて「工事に取り掛かれる状況にない」と語気を強めました。

川勝知事
「作業ができない。これは一体誰のせいなのか。静岡県が遅らせているのか。台風19号は静岡県のせいとでも言うのか。7月の豪雨は静岡県がもたらしたとでも言うのか。静岡県が遅らせていると言っているのは誰か。水嶋(鉄道局長)ですか! 江口(審議官)ですか! 藤田(事務次官)ですか! それともJR東海の社長・副社長ですか!」

 JRが目指す2027年開業が避けられない状況となり、全国的な関心が高まっているリニア問題。川勝知事は、あす自民党本部のリニア特別委員会に参加する予定です。

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