南海トラフ地震が発生する可能性が高まった場合に出される臨時情報。運用から1年以上が経ちましたが、認知度は低く、臨時情報の際に行う事前避難の取り組みも今後の課題が残されています。
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記者:海が見えるところまで歩いてきました

静岡県河津町浜地区 村木定男区長:「(波が)ここを来て越えるというのは考えにくい。考えられない。これ越えたら、うちの地区は全滅する」

 伊豆半島の東に位置する河津町。南海トラフ巨大地震の発生時には最短17分で津波が到達し、その高さは最大で13メートルに達すると想定されています。(静岡県の第四次被害想定)

 沿岸部の浜地区で区長を務める村木定男さん。県のモデル地区の一つとして南海トラフ地震の臨時情報が出た場合の事前避難について、他の地域に先駆けて検討を進めてきました。

 それでも…。

臨時情報発表の可能性高い「半割れ」

河津町浜地区 村木定男区長:「津波の場合は、あまり心配していない人が多くてね、それじゃいけないんだけど」

 静岡県に臨時情報が発表される可能性が高いとされるのは、南海トラフの西側で巨大地震が発生する、いわゆる「半割れ」のケース。その後、東側でも巨大地震の発生が懸念される状況です。

 そのため、津波の浸水想定区域に住む避難に時間がかかる高齢者や介護が必要な人に限って、1週間を目安にあらかじめ避難を求めるのが事前避難の考え方です。

河津町総務課 堤康匡防災係長:「事前避難をしていただく場合には、およそ50人ほどに利用していただける部屋です」

 河津町が事前避難所に位置付ける町の保健福祉センターには、住民が生活する部屋に隣接して個室の診察室が2部屋備えられています。

河津町総務課 堤康匡防災係長:「事前避難をしていただく方が河津町の場合は、要配慮者ということで、避難の最中に具合が悪くなったときに医者を呼んで診てもらうということで、メリットがあるという…」

78人が事前避難必要 町が想定

 町は7月までに浜地区など津波の浸水想定区域に住む避難対象者の取りまとめを終えました。臨時情報が出た場合には少なくとも78人が避難する想定です。

 県の担当者が「県内のトップランナー」と評価する河津町の事前避難計画。ただ、今後検討すべき課題も少なくないといいます。

市川記者:「河津町では、河津川の河口からおよそ1キロの地点まで、市街地の多くが津波の想定浸水区域になっている。一方で、ここよりも内陸の地域で、事前避難を希望する人がいた場合に対応をどうするのかが課題になっています」

 事前避難所は沿岸部からおよそ2キロの津波の恐れがない場所に位置し、町は避難する人たちの移動手段についても今後検討する方針です。

河津町総務課 堤康匡防災係長:「自主避難者が出た場合の避難先、コロナ禍における分散避難なども課題として挙げられている課題を一つ一つ解決していけたらと思っている」

 県は河津町での住民説明会で、地図の3Dデータを活用して津波の被害をイメージ化するなど工夫を重ねてきました。ただ、理解を深めるのは簡単ではないようです。

河津町浜地区 村木定男区長:「まだちょっと納得できないというか、避難した方がいいんでしょうけど、そこまでできるのかわからないですね。理解しているかと言えば、していない人のが多いのではないでしょうか」

 2年に1回実施する県民への意識調査では、臨時情報について「知らない」との回答がおよそ半数にのぼっていて、県は認知度の低さに危機感を募らせています。

静岡県 太田博文危機管理監代理:「これ(臨時情報)を活用しないで、やり過ごすという手はないので、そこは強く皆さんに空振りでも避難していただくと、理解や周知を図っていきたい」

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