杉沢洋佑記者:「今、ゆっくりと電車がやってきました。こちら、富士市の吉原エリアを走る岳南電車です。この岳南電車、実は今、新型コロナの影響で厳しい状況にあるということなんです」

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休校やテレワークで前年比6割減の月も

岳南電車 井上昌久鉄道部長代理:「いろいろなイベントが中止になったり、お客さんが自粛をされたりとか、学校が一時期お休みの時期があったりして、それが新入学とか、会社に入る人も4月の時期に重なってしまいましたので、かなり大きなダメージがありました」

 岳南電車の1日の利用者は約2400人。しかし今年は休校やテレワークが増えたため、客足が遠のきました。

画像: 岳南電車の車両

岳南電車の車両

岳南電車 井上昌久鉄道部長代理:「まあ、ひどいもんですよ。(売り上げは)半分じゃきかなくて、ひどい時(4月・5月)で、対前年でマイナス60%以上あったと思います」

高校生「足がなくなってしまう…」

1949年の開業以来、危機を迎えるのは今回が初めてではありません。2012年には利益の6割を占めていた貨物輸送が廃止。それ以降は富士市から年間6200万円の補助金をもらって、何とか走り続けているのが実態です。

高校生:「(岳南電車がないと)足がなくなってしまう。バスが出ていないことがので、なくなったら困ります」

会社員:「ここにずっと住んでいる方は昔から愛着があると思う。そういう面ではどうしても残していきたいという気持ちはある」

記者:岳南電車はどういう存在?
会社員:「必須ですよ。だって、バスと違って鉄道はオンタイムですから」

Twitterのつぶやきがきっかけで全国から注文が…

 市民にとって、なくてはならない岳南電車が今、力を入れているのが「情報発信」です。

Q:今何をしている?
岳南電車 竹村優一郎さん:「Twitterにあげる写真を撮ってました。『岳ちゃん』っていうアカウントがあるんですけど、岳ちゃんはあくまでも電車ですので、その“中の人”をやっています」

 岳南電車のTwitter。このアカウントには現在、1万3000人のフォロワーがいます。経営難を感じさせない「岳ちゃん」のつぶやきがきっかけで、あるものの売り上げが増えたといいます。

岳南電車 古郡真帆さん:「日本全国から注文が来てます。駅で売るよりも約5倍に増えましたね」

岳南電車グッズ…4月に開設したオンラインストアに注文殺到

それが岳南電車グッズです。沿線2カ所の駅でのみの販売でしたが、4月にオンラインストアを開設すると、問い合わせが殺到しました。

岳南電車 古郡真帆さん:「おうちでまず岳南電車を楽しんでいただいて、実際にコロナが収まったら遊びに来てもらうということで…」

岳南電車 井上昌久鉄道部長代理:「魅力の発信はしていかないと、うちもノホホンとしているのではなくて、社員としても盛り上げるために頑張っているよというところ、みんな熱意は大変大きなものがある」

会社支える大きな柱…「夜景列車」

 20日、陽が暮れた吉原駅。全国各地から乗客が集まりました。

 お目当ては富士市の工場夜景を楽しむ「夜景列車」です。感染症対策を徹底した上で、今年は運行本数を2倍に増やしました。昼間は無機質な工場も夜になると表情を一変させます。
 まるで異世界を進む観光列車は、会社を支える大きな柱に成長しました。

利用者からのうれしいメッセージ

岳南江尾駅。無人の駅舎の「伝言板」に残された、あるメッセージ。

 「岳南電車!がんばれ!」

岳南電車 井上昌久鉄道部長代理:「やったー!みたいな。そういう人が誰かいるんだな、誰か応援してくれる人がいるんだなっていうのは、すごい気持ちの支えになるというか、自分たちも頑張ろうという気持ちになる」

全長9.2キロ。決して長くなくても、沿線には必要としてくれている人がいる。地域に欠かせない足として、開業100年を目指し、岳南電車はきょうも走り続けます。

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