小林歩記者
「集落から車で30分ほど山道を登ったこちらに遺体が遺棄されたということです。地域の人によりますと、この辺りはほとんど車が通らないということです」

 浜松市天竜区の山中に、高齢女性の遺体を遺棄したとして、47歳の男と49歳の女が逮捕された事件。事件の全体像がわかってきました。ポイントとなるのが、「年金」です。

 47歳の男と49歳の女が、浜松市に住む当時83歳の女性の遺体を山中に遺棄したとされるのは、おととし2月。これ以前に、何らかの理由で高齢女性は死亡しました。女性の死因はわかっていませんが、警察は殺害された可能性は低いとみています。

47歳の男:
「高齢女性の息子と49歳の女から、遺体を埋めるのを手伝ってほしいと頼まれた。息子と一緒に別々の車で山に向かった」

逮捕された男「女性の息子から遺体遺棄を頼まれた」

 捜査関係者によると、男は、高齢女性の息子から遺体遺棄を頼まれたと供述しています。さらに、男が調べに対して「遺棄現場に女性の息子と別々の車で向かい、息子の車に女性の遺体が乗せられていた」と話していることが新たにわかりました。息子と家族ぐるみの付き合いがあった49歳の女の容疑者が、遺体を埋めるためのスコップ購入費を支払ったということです。

 なぜ、女性の息子は、女性の死亡を役所に届け出ず、遺体を隠す必要があったのでしょうか。49歳の女の母親は次のように語っています。

49歳の女の母親
「女性の息子が、ATMなどの防犯カメラに映ることを嫌ったので、娘が頼まれて代わりに引き出していた。『2人のお金をおろしにいかなきゃ』と話していた。暗証番号や年金の支給日も把握していたはず」

 女性は年金を、女性の息子は障害者年金を受け取っていたそうです。容疑者2人は息子から親子のキャッシュカードを預かり、暗証番号も教えられていて、年金支給日に、現金を引き出し、息子に渡していたとみられます。しかし、なぜ、息子は自ら年金を引き出さずに、2人に頼んでいたでしょうか。

49歳の女の母親
「古物商を営んでいた女性の息子は、仕事で外国人とのトラブルがあり、外出時に変装するなど怯えて暮らしていた」

 女性の息子がどんなトラブルを抱えていたのかはわかってませんが、年金の引き出しを依頼されていたという2人に転機が訪れます。

女性の息子も死亡…残されたのは親子のキャッシュカード

 女性に続き、今度は女性の息子が死亡したのです。女性の息子は遅くても去年6月までに死亡し、
 妻と2人の子どもとともに、富士山周辺の山中で遺体で見つかりました。自殺とみられます。女性と女性の息子一家が死亡し、2人の手もとには親子のキャッシュカードが残ったことになります。

鈴木誠記者
「2人は女性の息子が死亡したあとの、去年6月から今年4月にかけて、浜松市内のコンビニのATMから現金60万円を引き出した窃盗の罪でも起訴されています」

 2人が親子の口座から引き出した現金はこの60万円を含め総額で490万円にのぼるとみられていて、いずれも偶数月の15日、つまり年金支給日当日に引き出されていたということです。

 警察は、女性の死亡を隠し、年金を引き続き受け取るため、息子と2人が共謀して、山中に遺体を遺棄、息子の自殺後は、2人が、預かっていたカードを使い親子の年金を引き出していたとみて調べています。調べに対して、男が死体遺棄の容疑を認める一方で、女は「知らない」と容疑を否認しているということです。

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