「悪者は静岡県」…誤解を払しょくしたいと副知事が東京で会見 リニア問題

全国では「静岡県が悪者」になっている。リニア新幹線問題をめぐり、そんな「誤解」を払しょくしたいとして、静岡県の難波副知事が東京の日本記者クラブで会見を開きました。

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静岡県 難波喬司副知事:「なぜか静岡県だけ通らない状況にあって、そうなると普通どう思うかというと、おそらく静岡県が非常に高い要求を突き付けているんだろうと思うのが普通」

画像: 静岡県 川勝平太知事

静岡県 川勝平太知事

 静岡県の川勝平太知事が、難波副知事を東京に派遣し、全国のメディアに「静岡県の正当性」を訴えようと考えたのは、大井川の水問題への国民的理解が進まず、リニアの開業遅れが、いまや「静岡問題」と呼ばれているからです。この状況に川勝知事は怒りをぶちまけます。

川勝知事(7月):「それを静岡県が遅らせていると言っているのは誰ですか?
水嶋(国交省鉄道局長)ですか? 江口(技術審議官)ですか? 藤田(事務次官)ですか? それともJR東海の社長ですか? 副社長ですか?」

県議会では…。

画像: 藤曲敬宏県議

藤曲敬宏県議

自民改革会議 藤曲敬宏県議(県庁 午前10時半ごろ):「場合によっては国やJR東海を全面的に敵に回す可能性もある。まさに第二の沖縄辺野古移設問題になりかねません」

ふじのくに県民クラブ 伴卓県議(県議会 25日):「一部の方々から2027年の開業に間に合わないのは、『静岡県が工事着工を認めないからだ』とまるで本県が悪者のような世論が見受けられる。早急な改善が求められる」

画像: 伴卓県議

伴卓県議

 そして、午後1時半から、難波副知事が東京の日本記者クラブで、全国のメディアを前に会見に臨みました。

 難波副知事はトンネル工事による環境へ影響について、県は最低限のレベルをJR側に求めているのに対し、「県が過大な要求をしている」と主張され、対話が進まないと説明。他にも、工事で大井川の流量が減る恐れがあることなどを1時間以上にわたり伝えました。

難波副知事(都内 午後2時半ごろ):「トンネルは掘ってみないとわからないので、、掘りながら考えればいいと(JR東海の)基本にある。県としては掘る前にもっとやることがありますよね、と考え方や基準の違いになり、見解の違いに影響している」

記者:静岡県の外から見ている人は、リニア中央新幹線の駅がないことがスルーされてしまうことも工事を認めない理由の1つにあるという見方もあるが?

難波副知事:何かのメリットがあれば、リスクも多少許容することはあると思う。ただ、それは一般論であって、今回のリニア問題については水資源に影響があるのかどうか、自然環境に影響があるのかどうか、それだけをきっちり議論することが、まず大事だと思っている」

 世論の「誤解」を払しょくすることはできたのか。会見終了後、難波副知事は…。

難波副知事(午後3時ごろ):「手応えはこれから皆さんがどう理解してもらえるか、どうして静岡の人がそこまでこだわっているか、理解してもらうのが非常に大事」