乳がんを経験した女性が、手術の痕を隠す入浴着を身に着けて利用できる温泉が増えています。環境の整備とともに周囲の理解が不可欠です。
画像: 手術痕を隠す入浴着で入れる温泉増える でも、周囲の視線が気になって… 静岡・焼津市 youtu.be

手術痕を隠す入浴着で入れる温泉増える でも、周囲の視線が気になって… 静岡・焼津市

youtu.be

原川朋華記者:「静岡県焼津市の温泉では、こちらのポーチを無料で貸し出してくれます。中には胸を覆い隠すための入浴着が入っています」

 焼津市の入浴施設「笑福の湯」は、先月から「入浴着」の貸し出しと販売を始めました。「入浴着」は乳がんなどの手術の跡を覆い隠すためのもので、着用したまま入浴することができます。

笑福の湯 杉山恭子さん:「胸部のみをふんわりとカバーするタイプで、とても柔らかい素材になっています」

 素材はナイロンやポリエステル。軽くて速乾性に優れ、水着のような手触りです。入浴着の導入を決めたきっかけの一つは、「入浴着で温泉に入れますか」という女性からの問い合わせがあったことだといいます。

笑福の湯 杉山恭子さん:「温浴施設からの情報発信によって一人でも多くの方に(入浴着を)知っていただけたらなという思いがありました」

 静岡市に住む増田郁理さん(43)。去年、乳がんの手術を受けました。家族で毎週行くほどの温泉好きでしたが、手術の跡を見られることに抵抗があり、手術後は遠ざかっているといいます。

増田郁理さん:「実はまだ…取り寄せはしたんですけど、着て入ってはいないんです。着て入って、周りの人に『なんでつけてるの』って言われたらいやだなとか、そもそも施設に確認してダメって言われたらどうしようみたいな」

 入浴着を持ってはいても、実際に使うとなればためらいが生じます。

 「笑福の湯」には休日、1000人以上の客が訪れますが、「入浴着」の貸し出しは先月1カ月で5件、販売は3件でした。

 実際に入浴着を使用した経験がある女性は、周囲の視線が気になったといいます。

奥出真由美さん:「年配の方はお友達同士で来られていると、こっちは視線を感じてこそこそっと。やはりみんなの意識を変えてもらった方がいいというのが正直なところ」

 入浴施設が入浴着の着用を認めたり、PRを始めたりしたのは比較的最近のことで、まだまだ浸透には至っていません。それでも乳がんの手術を経験した女性たちは「入浴着」の文化と周囲の理解が広がっていくことに期待を寄せています。

増田郁理さん:「手術をして入浴着の存在を知った時点では、実はまだ静岡県で着れる場所があることを知らなかった。最近になって、力を入れている施設が出てきているということを知って、そういう施設が増えると、また治療が落ち着いたらぜひ伺いたいなと思います」

This article is a sponsored article by
''.