高齢化に悩む町の秘策は「釣り」で一石二鳥 静岡・西伊豆町

 「夕日日本一」を宣言している静岡県西伊豆町。駿河湾に沈む夕日と、新鮮な海産物が自慢です。観光業と漁業を柱としていますが、深刻な問題に直面しています。

画像1: 高齢化に悩む町の秘策は「釣り」で一石二鳥 静岡・西伊豆町
画像2: 高齢化に悩む町の秘策は「釣り」で一石二鳥 静岡・西伊豆町

松田和佳アナ

松田和佳アナウンサー: 「お!見えている、見えている!釣れている!釣れています!」
「イサキゲットです!ちょっと大きい!やったー!」

 魚を釣って!釣って!また釣って!  そして、釣った魚は、新鮮プリプリのお刺身や、焼き魚、煮つけに。さらに、食べきれない魚は何と買い取ってもらえるんです。

魚買い取りで一石二鳥とは…

画像1: 魚買い取りで一石二鳥とは…

西伊豆町まちづくり課 松浦城太郎主査:「西伊豆は静岡県内で高齢化率が最も高く、お年寄りの多い町なんですよ。漁師さんも高齢化が進んでいて、生産量がだんだん落ち込んできている」

 静岡県によりますと、西伊豆町の高齢化率は49.9%と人口の2人に1人が65歳以上の。自治体別では6年連続、県内で最も高くなっています。

画像2: 魚買い取りで一石二鳥とは…

 そこで打ち出した秘策が「ツッテ西伊豆」。釣った魚を町独自の電子マネーで買い取る取り組みです。電子マネーは町内の店で使うことができます。漁師の高齢化で減少している漁獲量を回復し、さらに観光客を増やす一石二鳥を目指しています。

松田アナ、釣りを楽しみ…、売った魚は2740円。2740ユーヒに

 釣り道具やエサは準備されているので、初心者も安心。船長からコツを教わることもできます。船に乗り、10分ほどで釣りのポイントに到着。仕掛けを投入します。

松田アナ
「あ!!きた!!えっ!」

 松田アナ、開始から、わずか2分でヒット。魚が逃げないよう、ゆっくりリールを巻いていきます。

松田アナ
「あっ! 2匹かかっている」
「釣れました!初ゲットです!」

 一度に2匹のイサキを釣った喜びに浸る間もなく、すぐに次のあたりが…。

画像: 松田アナ、釣りを楽しみ…、売った魚は2740円。2740ユーヒに

 4時間で20匹の魚が釣れました。この魚を市場で買い取ってもらいます。

西伊豆町まちづくり課 松浦城太郎主査:「食べる分だけ抜きましょう、おおー!これ絶対食べたほうがいいですよ!絶対食べたほうがいい。アカゼムロ!幻の! おーすごい!」

 まず、イサキを地域通貨に換えます。

西伊豆町まちづくり課 松浦城太郎主査:「イサキは今、キロ600円で。100グラム当たりだと60円」

松田アナ
「緊張、どきどきする」
「おお、すごい。2037円になりました!やったあ!」

釣った魚がいくらになるのか、わくわく感も…

 続いては水揚げ量が少ない幻の魚「アカゼムロ」。こちらは100グラム100円と、イサキより買い取り価格が高く設定されています。 西伊豆町まちづくり課 松浦城太郎主査:「ここでも欲しいんですよ。すごく貴重な魚なので」

松田アナ
「703円になりました、合計で2740円。2740ユーヒが付与されました」

 この2740円分が町独自の電子マネー「サンセットコイン」として、スマートフォンのアプリに支払われます。買い取られた魚は、新鮮なうちに市場の店頭に並べられます。

西伊豆町まちづくり課 松浦城太郎主査:「釣りをするだけではなく、釣った魚がいくらになるのかというワクワク感。そして、その魚がすぐに店頭に並んだ時の非日常感、それプラス、サンセットコインが手元に残る。そのお得感、非常に満足していただいている」

 町は、この「ツッテ西伊豆」でリピーターを増やし、新型コロナで減少した観光客を回復させる考えです。

大阪からの観光客:「気軽手軽。道具もいらないですし、自分たちが釣ったことでちょっと還元出来て、おいしい魚も食べながら、それでまた違った楽しみ方が、売ったお金でできるのが楽しいなと思っていて、釣れた時はすごくうれしくて、思わずガッツポーズするくらいの快感だった」

 サンセットコインは飲食店や土産物店、ドラッグストアやガソリンスタンドなど町内の130店舗で使うことができます。

温泉につかりながらの絶景もサイコー

画像: 温泉につかりながらの絶景もサイコー

 さらに、こんなところでも。 松田アナ
「一日、西伊豆町を楽しんで、最後にはこの絶景を眺めながらの温泉。こちらもサンセットコインを使うことができるんです」

 沢田公園露天風呂は大人600円、子ども200円分のサンセットコインで利用できます。水平線に沈む夕日を見ながら温泉を楽しむ贅沢。非日常な時間が日ごろの疲れを癒します。

西伊豆町まちづくり課 松浦城太郎主査
「西伊豆に来ていただいて釣りをして、ツッテ西伊豆を体験していただくというのが、西伊豆の観光の柱の一つになると、非常にうれしいなと思う」