東日本大震災から10年後の余震 専門家「まだ何年も続く可能性も…」

 13日、東北地方で発生した最大震度6強の地震。専門家は静岡への教訓も指摘します。

画像: 東日本大震災から10年後の余震 専門家「まだ何年も続く可能性も…」 youtu.be

東日本大震災から10年後の余震 専門家「まだ何年も続く可能性も…」

youtu.be

男性:「怖かった。東日本大震災を思い出してしまうような…」

男性:「10年前はもっとゆっくり長かったです、その恐怖感もちょっと感じた。近いものがあった」

「震源周辺では過去にM6クラスの地震が何度も起きている」

 10年前の東日本大震災の余震とみられている今回の地震。ただ、津波は観測されませんでした。この理由について、専門家は3つのポイントを挙げています。

常葉大学 阿部郁男教授:「東日本大震災を起こした地震は、沖の方で震源が浅い場所だったので、それよりは陸に近い、震源は深いところで今回の地震が起きている。震源の周辺を見てみると、過去にマグニチュード6クラスの地震が何度も起きている場所であることが分かります」

津波が発生する3つのポイント

 阿部教授は地震によって津波が発生するかどうかは「震源の深さ」「断層がずれる角度」、そして「エネルギーの大きさ」の
3つがポイントになると話します。

 今回の地震は深さが約55キロ。マグニチュードは7.3と推定されています。一般的にマグニチュードが0.2違うと、エネルギーは2倍になるといわれています。

 東日本大震災は今回の地震より浅い場所で500倍近い大きなエネルギーが働いていました。今回はプレート内の地震で震源が深く、エネルギーが小さかったことから、幸いにも津波の被害がなかったということです。

常葉大学 阿部郁男教授:「深さ55キロの場所が震源としているので、海底面が変化した量はだいたい10センチあるかないかくらいだと思う。津波の発生も10センチくらいしか起きていないだろう。東日本大震災の影響を受けた地震は、まだまだ何年も続く可能性があって、余震は10年20年で考えないといけない」

「警報が出ていなくても避難するのが重要」

 ただ、静岡への教訓もあります。今回のように、沈み込んでいるプレート内で発生した地震は、2009年8月に駿河湾沖で発生しています。この地震で県内では最大震度6弱を観測し、焼津市では高さ60センチの津波が観測されました。この津波は地震でプレートが動いたことが原因ではなく、揺れによって海底の斜面で地滑りが起きて発生した突発的な津波とみられています。

常葉大学 阿部郁男教授:「(今回の)地震で福島県相馬市で、あちこち土砂崩れが起きていますが、(駿河湾沖地震で)駿河湾とか相模湾は斜面が急な崖になっているところがたくさんある。そこで震度6を超える地震が起きると、津波注意報しか出ていなくても、突然大きな津波が起きることもあります。大きな揺れを感じたら注意報とか警報が出ていなくても、避難するのが静岡県では一番重要になる」