リニア新幹線テーマに舌戦熱帯びる・静岡知事選挙公開討論会

25日夜、静岡市で開かれた静岡青年会議所主催の公開討論会。
6月の静岡県知事選挙に出馬予定の2人が初対決に臨みました。

画像1: リニア新幹線テーマに舌戦熱帯びる・静岡知事選挙公開討論会

2人の舌戦が熱を帯びたのは、やはり、静岡県にとって、大井川の水問題を抱えるリニア新幹線がテーマになったときでした。

画像2: リニア新幹線テーマに舌戦熱帯びる・静岡知事選挙公開討論会

〇 岩井茂樹氏
「(大井川)流域の皆さんの理解が到底得られているとは思えない。なので私は現在、工事の着工を認めないという方針。
その上でJR東海が流域の皆さんにしっかりとした姿勢でもし向き合わないようであれば、これはいろんな選択肢、ルート変更という話も出ているが、全ての選択肢をしっかりと考えながら、ゼロベースで国やJR東海側に強い姿勢で、私は技術者なので、その知見も入れながら強い姿勢で臨んでいきたい」

岩井氏は、国土交通副大臣だったからこそ、国やJR東海に厳しい姿勢で臨むことができると強調、「ルート変更も選択肢だ」と踏み込みました。

画像3: リニア新幹線テーマに舌戦熱帯びる・静岡知事選挙公開討論会

〇 川勝平太氏
「今最初に(大井川の)流量で出てきた問題が、実は生態系、あるいは水質、残土の処理など、全く解決されていないまま掘らせてくれということになっている。
それを追認されているのが、(国の)有識者会議、それをまとめているのが(国土交通省の)鉄道局。それの担当だったのが岩井氏であったと。(会場から拍手が起きる)(岩井苦笑い)(司会が拍手を注意)」

〇 岩井茂樹氏
「先ほど少し話の中で触れたが、場合によればルート変更という話も出てきているし、工事の中止も含めて、それはその時の状況をしっかり踏まえながら、毅然とした対応をしていく」

〇 川勝平太氏
「大変重要な発言をした。岩井氏を尊敬していますが、国交副大臣など様々な役職を務めて、今回、菅総裁の推薦、自民党の推薦、そして静岡県全ての自民党の方たちの推薦を得て、ルート変更、あるいは工事の中止について考えている。
これは自民党全体の責任においての発言か?」

〇 岩井茂樹氏
「当然、その時の状況を踏まえて選択肢の中でそういうこともあり得る」

〇 川勝平太氏
「ルート変更、あるいは工事の中止というのを決めるのは事業者。
全国新幹線整備法があって、そこで事業者が判断して国が認める形になっている。
しかしそれをあえて、そういう方向に舵を切るとおっしゃったのは、今回、何しろ影響力がある背景で言っているので、我々はとしては大いに頼みにして、お聞きした。(拍手を司会が注意)」

〇 岩井茂樹氏
「私の発言を心の糧にという発言。
結局この問題は本当に流域の皆さんために何ができるかの話。
それを踏まえればJR東海に対して、そういう思いをしっかりと伝えていく、求めていくのは当然のこと」

ここで時間が来て、討論は終了しました。
会場で直接、2人の声を聞いた人たちはどう感じたのでしょうか。

● 静岡市民 70代女性
「Q 感想は?」
「初めて参加したけど、やはり生の声を聴くというのは素晴らしいなと思った。
はっきり政策も分かったし」

● 静岡市民 60代女性
「リニアの問題が聞けて良かった」

● 静岡市民 70代男性 
「もっと討論というかそういう形式に司会が持って行ってもらいたかった。
そこに本音が出てくるのではと思ったけど」

画像4: リニア新幹線テーマに舌戦熱帯びる・静岡知事選挙公開討論会

初の論戦を終えた2人は・・・。

〇 川勝平太氏
「何しろ(前国交)副大臣ですからね。
その(前国交)副大臣がルート変更・工事中止というのを2回言った。
これは私どもとしては、そこまで自民党の人たちが考えてくれているのは、誠に思いもかけぬ援軍が出てきたなと思った次第」

〇 岩井茂樹氏
「Q ルート変更や(工事)中止に関して言及していたが?」
「あれはあくまでも流域住民の思いをしっかりと事業者に伝えるという意味。
結局、事業者が判断することになるが、ただやはり流域住民の思いをしっかりと伝えたい。それをしっかりと主張していくという意味で言った」

川勝氏と岩井氏の事実上の〝一騎打ち〟となる見通しの静岡県知事選挙は、6月3日告示、20日投票です。

〇 岩井茂樹氏
「政治家は、直前の肩書だけでなく、これまでの経験値を総動員して、故郷のために全力を尽くすのが使命」

〇 川勝平太氏
「トンネルを掘った後、プール、窯場と言われる所にたまったものを20年あまりかけてポンプアップして戻すと。この案に鉄道局はそれでいいと言っているが、岩井氏は工学的な知識がある。この案に賛成なのか?」

ON 岩井茂樹氏
「(有識者会議の)中間とりまとめ案は私も拝見している。
鉄道局がどういう案を出そうと、流域の皆さまがそれを理解いただいて、本当にいいんだという答えにならない限り、これを認めたとはならない。
ゼロリスクについて少し質問したい。例えばコロナ感染症対策を徹底していてもゼロリスクにすることは技術的に難しい。
このリニアの問題もどこまで、これはまさに政治判断になるかもしれないが、川勝氏の中ではリスクについて、ゼロリスクを含めてどのような見解を持っているか」

〇 川勝平太氏
「今回出ている案は、山梨県に流れるだけでも低く見積もって年間300万?、500万?。このリスクは極めて高い。
先ほどの質問に答えていないと思うが、地元の理解を得られたと言って、いきなり自分たちの説明を聞いてもらったから理解を得られたと捉えて、それで強行されることもある。これが大変怖いこと。選択肢をいくつか挙げたと思うが、どんな選択肢を考えているのか」