菅総理「想像を絶する。政府としてできることは全てやる」 一時帰宅した避難者「ひどかった、ぐちゃぐちゃです」 静岡・熱海市の土石流 /12日午後6時

斉藤慎一朗記者:「捜索現場には朝から厳しい日差しが照り付けている。土石流が流れた中腹部の住宅があった場所では、朝から消防隊員がスコップを使って土砂の撤去作業に取り掛かっている」

 熱海市伊豆山地区で起きた土石流からきょう12日で10日目。朝から消防隊員や自衛隊員らおよそ1700人態勢で行方不明者の捜索が行われています。

菅総理「想像を絶する。政府としてはできることはすべてやる」

須藤誠人アナウンサー(12日午後1時すぎ):「午後1時15分を過ぎたところです。多くの職員に囲まれた菅総理が熱海駅の改札から出てきました。これから被災した伊豆山地区の現場を視察する予定です」

 午後1時すぎ、JR熱海駅に姿を見せたのは、菅総理。被害状況を確認しようと現地に入り、静岡県の川勝平太知事、熱海市の斉藤栄市長らから説明を受けました。

 続いて、菅総理は被災者が多く避難するホテルで意見交換に臨みました。

画像: 菅総理「想像を絶する。政府としてはできることはすべてやる」

菅総理大臣(12日午後3時ごろ):「想像を絶するような土石流だった。政府としてはできることは全てやる。とにかく行方不明者の方の捜索、そしてライフラインの復旧復興を全力で取り組んでまいりたい」

 斉藤市長は、菅総理に対し復旧・復興に向け国の全面支援を求めました。

避難者の一時帰宅始まる

白鳥衛記者(12日午前9時半ごろ):「いま一時帰宅者を乗せたバスが指定された場所に到着しました」

画像: 避難者の一時帰宅始まる

 きょう、被災後初めて、避難者が自宅に戻り生活必需品などを持ち出す、「一時帰宅」が行われました。
 中には、軍手を付けて家に向かう人の姿も。伊豆山地区では130軒余りが被害を受け、584人が避難をしています。初日から避難してしている人は9日ぶりに自宅へと向かうことができました。

白鳥衛記者(午前11時ごろ):「いま一時帰宅された避難者が徒歩で戻って来ました。大きな荷物やリュックを背負って戻って来ました」

 自宅に滞在できる時間はおよそ2時間に制限されましたが、避難者は貴重品や衣類などをカバンに詰め、避難所に戻るバスへと乗り込んでいきました。

藤井章人記者(12日午後0時半ごろ):「避難所となっているホテルです。一時帰宅のため避難している人たちがマイクロバスに乗り込みます。長靴など土砂の対策をしている人もいます」

 午後0時半には、避難所のホテルから一時帰宅者を乗せた2回目のバスが出発しました。一時帰宅はきょうから3日間にかけて行われ、地区ごとに日時を指定し、市が借り上げたバスで、複数回に分け避難者を運ぶことになっています。

一時帰宅の男性「ひどかった…」

 一時帰宅した男性:「まあひどかったですね、ぐちゃぐちゃです、当分かかりますね。ちょっとやそっとじゃ良くならない。あれだけの残骸を除去するのは大変だと思う。うちは大丈夫だったからまだ持つと思う、少しくらいは」

 この映像は、きょう一時帰宅した避難者が撮影した映像です。カメラには生々しく残る土石流の傷跡が刻まれていました。

母親が不明の男性…土砂撤去作業続ける「早く道路が通れば捜索ができる」

 依然、行方が分かっていない人は17人に上ります。母親が行方不明だという男性は、捜索活動の力になりたいと土砂の撤去作業を続けています。

画像: 母親が不明の男性…土砂撤去作業続ける「早く道路が通れば捜索ができる」

「まだ見つかってない人たちがいる。うちのおふくろもそうだけど。1日でも早く見つけられるために、まずは道路が通れるようにならないと、自衛隊の人たちも入れないので。1日でも早く道路が通って捜索ができるようになればなって」