静岡県熱海市の土石流災害の発生から2週間。行方不明者は17日正午の時点で15人にのぼります。

 被災現場では連日、行方不明者を探す隊員の姿が…

画像: 土石流発生2週間…難航する捜索そのワケは 土砂の土質、地形、梅雨… 静岡・熱海市

石田和外アナウンサー 13日
「きょうも早朝から懸命の捜索作業が続いています。多くの隊員たちが、
土砂をかき分けながら、行方不明者を探しています。屋根の形を残した住居、その上の部分にはたくさんの瓦礫です。捜索する隊員たちが行方不明者を探しています」

 16日は消防・警察・自衛隊員らおよそ1300人態勢で大規模な捜索が行われました。

広島市の土石流災害では発災1週間後の不明者は6人

 過去には2014年の8月、広島市の八木地区を中心に大きな土石流災害が起きました。この災害による死者は、災害関連死者を含め77人。このうち、71人は発災から1週間以内に発見されました。発災1週間後の行方不明者の人数は、 広島の6人に対して熱海は19人。

 なぜ、熱海の災害では、行方不明者の捜索が難航しているのでしょうか?

静岡県警の機動隊長「救出作業は『人力』に頼る」

 17日正午の時点で15人の行方が分かっていない静岡県熱海市伊豆山地区の土石流災害。なぜ捜索が難航しているのでしょうか?

 9日、捜索活動の現場について静岡県警の機動隊長、西川功さんは…

静岡県警 西川功機動隊長
「現場は非常に土砂が多く、特に下流は土砂が堆積しています。重機の搬入がままならず、救出作業の多くは人力に頼っています」

須藤誠人アナウンサー 11日
「崩壊してしまった住宅から出た瓦礫を、自衛隊員たちが手渡しで運びだしていきます。運ばれた瓦礫は、山のように積まれています」

 道路は土砂や瓦礫で寸断されているため、重機を入れるのは困難。今週の初めには、手作業で土砂を掘り起こす姿が見られました。

 さらに、現場には土砂だけでなく1メートル以上の巨大な岩も…

土砂の量が多い上、土の性質上、ぬかるんで足をとられる…

 捜索が難航している理由について専門家は?

 土砂災害に詳しい、静岡大学名誉教授の土屋智さんは、2014年に広島で起きた土砂災害の現場を視察。広島で起きた災害と今回の違いは?

静岡大学 土屋智名誉教授
「出てきた土砂の量が多い。広島(2014年)の2倍近い量が出てきていると思う」

 流れた土砂の量を比べると、広島市の八木地区はおよそ3万3000立方メートル。一方、伊豆山地区はおよそ5万5000立方メートルと推定されています。

画像: 土砂の量が多い上、土の性質上、ぬかるんで足をとられる…

 しかし、問題は、流れた土砂の量よりも、その性質にあると土屋さんは言います。

静岡大学 土屋智名誉教授 
「(伊豆山地区は)火山地帯の土石流なので、元々水を含みやすい流動化しやすい特徴があるんですね。今回は盛り土の中に大量の水が溜まっていて、その水と共に盛り土を造っている土砂が流れてきているということなので、非常に水が多かった」

Q.水が多く含む土砂は作業が困難?

土屋名誉教授:「土砂が泥ねい化(ぬかるみ)して、自由に動きが取れなくなります。足がとられることも。その原因を作ったのは盛り土ということなので、自然に起きた広島の災害とはその点でも異なります」

水の流れがあり作業が困難

 さらに、伊豆山地区の地形も捜索を難航させている要因の1つに…

静岡県警 西川功機動隊長
「かなりの急傾斜地であることで、土砂がかなりの勢いで下に流れたと感じました。また、かなりの水の流れがあったので、その中で作業するのは非常に大変だなと感じました」

画像: 水の流れがあり作業が困難

 捜索隊の足元に勢いよく流れる水。危険と隣り合わせの作業です。土石流の起点から海まではおよそ2km。 急傾斜が続くこの場所にはある特徴が…。
   

同じ傾斜が海まで続く地形で土砂が減速しなかった

静岡大学 土屋智名誉教授
「一般的な地形であれば、上部が急で、下流に行くにしたがって傾斜が緩くなりますけど、熱海はそういう地形ではない。同じ傾斜で海まで続いていて、土砂が減速することなく、そのまま続いてくるということになります」

 土砂の勢いが強かったために多くの家屋が倒壊。がれきを片付けるだけでも膨大な時間を要します。

二次災害の危険から何度も活動を中断

画像1: 二次災害の危険から何度も活動を中断

 さらに、梅雨の時期に災害が起きたことも、捜索に影響が。雨が振り続けた発災2日目、熱海の最高気温は20.6度でした。しかし、その6日後には…

林輝彦アナウンサー 10日
「午前8時半です。少し雲が目立つものの青空が広がっています。強い日差しが照りつけて、かなり暑く感じます」

 この日、熱海では今シーズン最高の32.8度。暑さが隊員の体力を奪います。さらに…

画像2: 二次災害の危険から何度も活動を中断

「退避!退避!退避!」

林アナ 6日
「今自衛隊の退避という声とともに、救助隊員たちが一斉に退避しています」

 二次災害の危険があるため、連日、捜索活動を中断。

宮﨑玲衣アナウンサー 8日
「今日は、午後2時半から作業を雨のため中止していましたが、午後5時半。終了した模様です。連日午後6時ごろまで作業をしていたので少し早い終了となりますが、雨が降り続いたために終了の判断となりました」

 雨が降り続いた発災6日目は、捜索隊の安全を守るため、3回、中断しました。この日、中断したのは合計は4時間半。隊員にとってはもどかしい時間です。

画像3: 二次災害の危険から何度も活動を中断

 捜索活動だけでなく、土石流の起点の周辺では、24時間態勢で監視をする作業も…

静岡県警 西川功機動隊長
「現場では監視所が設けられています。部隊ごとに監視要員を置いて、少しでも変化、水流や水の汚れなどを感じた場合、すぐに注意喚起をするようにしています」

 そんな中、被災現場では今週に入り、ある変化が…

石田アナ 13日
「当初は手作業での捜索が続いていたんですが、ここにきて大きな重機が投入されています。この土砂の大部分が盛り土と言われています。
その土砂を重機で懸命に今搔き出しています。」

画像4: 二次災害の危険から何度も活動を中断

 道路上の土砂の撤去が進み、16日は19台の重機を投入。重機を使った作業が本格化したことで、行方不明者の早期発見に繋がるのでしょうか。

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