聖隷クリストファー(浜松市)センバツ落選の波紋…球界からも疑問の声 浜松市民「高野連に物申したい」

 浜松市北区の聖隷クリストファー高校。信じて疑わなかった甲子園出場の吉報が届くことはありませんでした。

画像: 聖隷クリストファー(浜松市)センバツ落選の波紋…球界からも疑問の声 浜松市民「高野連に物申したい」

聖隷クリストファー高校 上村敏正監督:「大会本部から連絡が来るのを待っていたんですが、残念ながら報告は来ませんでした。出場校に選ばれませんでした、ということです。私は間違いなく選ばれるんじゃないかと思って待っていたんですけど、残念ながら力不足だったのかなというふうに思います」

 失意の表情を浮かべる選手たち。東海地区からの出場校は日大三島と岐阜県の大垣日大に決定。聖隷クリストファーは補欠校となり、出場は叶いませんでした。

聖隷クリストファー 上村敏正監督:「この悔しさを忘れないで、これからのいろんなところにこれを生かして、もう一回夏頑張ろう。いいですか」

選手「はい!」

「以上です。練習いってください」

東海大会準優勝の聖隷クリストファー落選の理由は…

 秋の大会での成績を踏まえて、各地区から出場校が選ばれる春のセンバツ高校野球。
聖隷クリストファーは去年秋の東海大会決勝で日大三島に敗れ、準優勝。主力を欠く中、逆転劇を重ねての勝ち上がりでした。一方、大垣日大は準決勝で日大三島に敗れ、ベスト4となっていました。

 2校の出場枠がある東海地区から、前の年の東海大会の優勝校・準優勝校が順当に選出されないのは44年ぶり。異例の事態です。

画像1: 東海大会準優勝の聖隷クリストファー落選の理由は…

聖隷クリストファー 上村敏正監督:「生徒たちが受け入れられるのかなって、すごくあの…何ていうのかな、頑張っても報われないって思ってしまったら、それは違うんじゃないかなって。総合力がないと言われれば、その通りなのかもしれませんけど、でも結果としてあそこまでいったことは、評価に値するんじゃないかなと思いますね」

画像2: 東海大会準優勝の聖隷クリストファー落選の理由は…

 選手たちも確信していたであろう甲子園出場は、なぜ絶たれてしまったのでしょうか。今回の選出理由について、高野連はー

高野連担当者:「個人個人の力量に勝る大垣日大か、粘り強さの聖隷クリストファーかで、選考委員の中で賛否も分かれましたが、投打に勝る大垣日大高校を推薦校にします。特に投手力については大垣日大の方が上だろうと。大垣日大の方がやはり失点が少ないということが判断の第一の理由になりました」

球界からも疑問の声

 この高野連による選出理由をめぐって、波紋が広がっています。

 大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手は、聖隷クリストファー落選を伝える記事とともにツイッターを更新。

ダルビッシュ有投手
「『個人の力量に勝る大垣日大って』。それするならせめて聖隷クリストファー高を選考した上で特別枠で大垣日大高を選考するべきではないんですかね?」

 さらに、メジャーリーグでも活躍した野球解説者の上原浩治さんも委員のコメントには賛同できないとの見解を示しました。

上原浩治さん
「選ぶんなら分かりやすくした方がいいよね。今回は決勝まで行ったのに選ばれなかった。委員のコメントとして『個人の力量』っていうのは違うよね。野球は団体競技」

浜松市民は…

画像1: 浜松市民は…

西尾梓アナウンサー
「春のセンバツ高校野球大会出場校に聖隷クリストファー高校が選ばれませんでした。地元浜松では選考に関して疑問の声が聞かれました」

浜松市民 50代:「基準を作ればいいじゃないですか。こんなのはおかしい。勝ったチームが強いんですから、代表になる権利があるんじゃないですか」

浜松市民 50代:「僕も高校野球ファンなので高野連に物申したいです」

Q.どのように物申したい?

A.「聖隷が行くべきでしょ、聖隷ファンなんで。大垣日大強いので、それは否めないところなんだけど、やっぱり聖隷は聖隷の良さがある、本当に頑張ってほしいです」

浜松市民 70代:「聖隷クリストファーが頑張っていて、去年から応援していたので、準優勝だったらちゃんと正当に(選考)してほしい」

浜松市民 20代:「勝負で勝ったのに、チームとして、たぶん劣っていると思われたってことですよね。やってる側としたら、とても悲しいかなと思いました」

浜松市民 50代:「監督さんが生徒さんたちに話していたのも見たけど、ちょっと社会勉強というには、やっぱり大きすぎる出来事で、かわいそうだよね」

 教育の一環でもある高校野球。客観性を欠いたようにも見える今回の選出ですが、選手たちは気丈にふるまっています。

画像2: 浜松市民は…

キャプテンでエースの弓達選手は―

聖隷クリストファー 弓達寛之主将
「自分たちのやってきたことをしっかり全国の場でできると思っていましたが、このようなこともあるのだなという気持ちで、今はまだすごく残念な気持ちです。嘘かなって信じたいというか、なかなか信じきれないものはあります。この悔しさをうまく使って今年の夏、一番を取れるように自分たちの中でしっかり練習をやっていきたい」