災害から8カ月…土石流流れ込んだ港はいまだ使えず イセエビ漁などに打撃 地元漁師が再建目指し奮闘 静岡・熱海市

 去年7月の静岡県熱海市の土石流災害で、大量の土砂が流れ込んだ伊豆山港はいまだに港が使えません。再建を目指し奮闘する地元の漁師を追いました。

サンゴや岩には今も砂が溜まったまま

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 この道30年以上、漁師の松本早人さん(46)。ここ伊豆山港が、仕事場です。

松本早人さん:「(シャワー室はこんなんで)ほぼ全壊で。幸い本当、ダイビングのお客さんと釣りのお客さんがそこを使ってなかったから、本当に良かった」

 土石流災害の発生から8カ月。いまだ爪痕の残る伊豆山港…。これは、先月24日の港周辺の海の中。サンゴや岩にはいまだ、砂が溜まったまま。

ダイバーAさん:「北の方から丸い潮が泥っぽいのが入ってきません?」

ダイバーBさん:「ちょっとね。通常だったら今の時期だったら、15メートル以上見えてるもんね。ここで6,7メートルでしょう。まだ結構影響あるし、土石流の残骸とかも残ってるし」

画像: サンゴや岩には今も砂が溜まったまま

 これまでの4回の調査で、土砂が流れ込んだ海域6カ所では海藻が育たず、小魚などが集まらなくなっていることが明らかに。それをエサとするイセエビなどの漁に大きな影響がでています。

発災直後に大量の土砂が港に

画像: 発災直後に大量の土砂が港に

 これは、発生直後の伊豆山港の様子です。大量の土砂が港に流れ込んでいます。

松本早人さん:「今は消防団として救助を待ってる人がいるので、その救出を、早くみつかるといいなと」

 発災当日。消防団の一員として活動していた松本さん。18日後には、独自で伊豆山港の海中を調査していました。

松本早人さん:「2mないね。…1800」

松本早人さん:「この港で働いている人は少ないが、みんな一生懸命やっている港なので、1日も早く復旧のお手伝いを(行政に)願いたい」

寄付募り、港再建目指す

 2月24日…

松本早人さん:「やっぱり、津波とかそういったもので壊されちゃうのは、頭の中に少しあったんですけど、山からの土砂がここまで来たのかっていうのが、もう本当に衝撃的で」

 発災から、7ヵ月が過ぎた2月、松本さんは、漁師仲間とある取り組みを始めました。

画像: 寄付募り、港再建目指す

松本早人さん:「一応、クラウドファンディングで450万目標を設定させてもらって、この港を利用する漁民と、あと観光でダイビングに来たお客さんとか、観光客で釣り船のお客さんとかが、使用できるシャワー室、トイレの再建と、あとそれにともなった水道も電気も、まだ通せない状況なので」

 これまでに、目標額の7割となるおよそ307万円の支援が寄せられています。

松本早人さん:「1日も早く、あの元通りの状態の伊豆山港にしますんで、今まで来てたお客さんとか、観光の方にもう一度、来てもらいたい。また、新たに綺麗になった伊豆山港で、新たなお客さん来てもらいたい」

 釣りにダイビング…楽しい声が響いていた伊豆山港。自分の仕事場のかつての姿を取り戻すために。土石流から8カ月です。