「うなぎいもストア」など新たに4店舗出店…ラインナップの決め手は『普段使い』 JR浜松駅の駅ビル「メイワン」リニューアル

 JR浜松駅直結の駅ビル「メイワン」。飲食店やお弁当屋などが立ち並ぶエリアが今週リニューアルしました。

画像: 「うなぎいもストア」など新たに4店舗出店…ラインナップの決め手は『普段使い』 JR浜松駅の駅ビル「メイワン」リニューアル

「うなぎいも」を使ったスイーツの店も

原川朋華記者(うなぎいもストア):「新しく入ったこちらの店舗では、持ち帰り用の商品もたくさんありますが、この場で食べられるものもあります。その1つがソフトクリームです」

画像1: 「うなぎいも」を使ったスイーツの店も

 オープンしたお店の一つが「うなぎいもストア」。「うなぎいも」とは浜松名物のウナギの骨や頭といった普段捨ててしまう部位を肥料として活用し、育てたサツマイモのこと。その「うなぎいも」を使ったスイーツなどを取り揃えています。

画像2: 「うなぎいも」を使ったスイーツの店も

メイワン営業課 大井龍太郎さん:「新店舗では普段の食事のお供にご利用いただける商品や、ご自身へのご褒美のスイーツなどでお楽しみいただけるお店もありますので、そういったご利用を期待しています」

新店舗ラインナップの決め手は「普段使い」

 今回新たにメイワンに出店したのは4店舗。ラインナップの決め手は、市民に“普段使い”してもらえるかどうかだったといいます。

 こちらはJR浜松駅の1日あたりの平均乗降者数のデータです。昨年度はおよそ4万5000人と、コロナ禍前の6割程度にとどまっています。(2018年度 7万5188人、2019年度 7万4052人、2020年度 4万4992人 新幹線と在来線の乗降者数)

 駅に直結するメイワンの来店者数も駅の利用者数の落ち込みに連動し、一時3割ほどまで落ち込んだといいます。

メイワン営業課 大井龍太郎さん:「コロナウイルスの影響で浜松駅の鉄道の利用客が減り、エキマチウエストをご利用になるお客様も減少しました。今までお土産売り場のイメージが強かったエキマチウエストですが、手に入りにくい地元の名産品やテイクアウトができるスイーツなどを販売することで、地元のお客様含め浜松駅をご利用されるすべての方にお楽しみいただけるようになったと思います」

市民は

画像: 市民は

 このコンセプトに日頃から駅ビルで買い物をしている浜松市民は―

浜松市民70代:「お店の方にも行ったんだけど、ここは歩いて10分くらいで来られるから喜んで来ました」

浜松市民 男子高生(うなぎいもストアのソフトクリーム食べながら):「甘いものが好きなので、食べたくて来てよかったです。なかなか足を運ぶ機会がなかったので、こうやってスイーツとかたくさんあると来やすくていいなと思います」

浜松市民 30代:「散歩で天気がよかったので、フラフラと入ってきた。ここだとパッと行って、さっと買いやすいので、そういう意味では使いやすい」

コロナ禍で苦境の土産店 駅ビル撤退しネット販売に活路

 一方で、リニューアルの背景にあるのはコロナ禍で苦境が続いた土産店の存在です。

画像: コロナ禍で苦境の土産店 駅ビル撤退しネット販売に活路

 浜松市南区に事務所を構える「さがみ園」。お茶の卸し売りを行っている静岡茶専門店です。契約の更新時期を迎えたこともあって、2月、32年にわたって出店していた駅ビルから撤退しました。

 かつて、浜松駅のお土産として打ち出していたお茶のポテトチップス「お茶ぽて」。県内産のお茶と塩だけで味付けし、静岡らしさが人気を集めました。しかし、コロナ禍で観光業が冷え込むと、さがみ園の売り上げも低迷します。

さがみ園 菊地原敦史社長:「大変大きなダメージを受けて、2020年の最初の緊急事態宣言では売り上げが9割減。緊急事態宣言のたびに6割減、感染状況が落ち着いてきた去年でも3割減。感染拡大前は、待っていればお客さんが来てくれるという恵まれた状況だったが、それがなくなり、待っているのではなくて、こちらから出ていかねばならないと感じた」

 実店舗を持たない販売スタイルへと転換し、ネット販売を主戦場に決めました。

さがみ園 菊地原敦史社長:「対面でのコミュニケーションがなくなって、皆さんスマートフォンやパソコンを見て過ごす時間が増えたと思う。こちらもインターネットを通じて接触することが大事だなと感じました。これまでは接触できなかった静岡県以外の方ともコミュニケーションが取れるようになりました」

 ネット販売を通じて客層は徐々に広がりを見せているといいます。家賃や人件費といった固定費の削減や余分な在庫を抱えずに済むといったメリットも。

 こうした中、力を入れているのがTwitterでの情報発信です。お客さんと積極的にやり取りをしていると、その反響はネット上からリアルへと広がり、県内外のスーパーやドラッグストアで商品を置いてもらうきっかけにもなったそうです。

杏林堂薬局 正田葉月さん:「静岡県を一緒に盛り上げたいという気持ちがあり、商品の取り扱いを決定しました。3月までで2000個以上を販売しているとても人気の商品です」

 店舗を持たなくなったことで、販路拡大へと道が開けました。

さがみ園 菊地原敦史社長:「インターネットで情報発信やお客様とコミュニケーションを取りながら取り扱ってくださるお店を増やしていくのが、これからの目標になります。日本中、もっと言えば海外にも紹介できればと思っている」

                               (3月18日放送)