コロナ禍で大打撃を受けている飲食業界。そんな中、子どもたちを食でサポートしようと取り組むお店が増えています。一体どのような取り組みなのでしょうか。
画像: コロナ禍で苦境、それでも… ラーメン店が子ども食堂を運営「笑顔がご褒美」 浜松市

「近隣の人に愛されるお店になることが大事」

画像: 「近隣の人に愛されるお店になることが大事」

「いらっしゃいませ!」

浜松市東区、旧東海道沿いにあるラーメン店「中華そば 天までとどけ」。看板メニューは「とりぶた中華」。地元・浜松の醤油をふんだんに使った昔ながらの中華そばです。作っているのは、ラーメン一筋20年の松井康典さん。勤めていたラーメン店がコロナの影響で閉店。およそ1年前、このお店を立ち上げました。目指しているのは、
“地域で1番身近なラーメン屋さん”です。

中華そば 天までとどけ 
松井康典さん:「もちろん遠くから来てくれる人も大事ですけど、5年とか、10年とかやっていくには、近隣の人に愛されるお店になるってことがすごく大事かなと思う」

土曜の夕方に「子ども食堂」として営業

土曜午後5時。
書き入れ時に、暖簾をかけ替える松井さん。そこには…「こども食堂」の文字が。

画像: 土曜の夕方に「子ども食堂」として営業

松井さん:「あっ!いらっしゃい!」

 毎週土曜の午後5時から6時までの間、子ども食堂として営業しているのです。

子ども:「ラーメンきた!」「おれのだ!おれのだ!」「うわー!」

 ラーメンを口いっぱいに頬張る子どもたち。

Qラーメンおいしい?
子ども:「うん」「おいしい!」

お客さん:「めっちゃ気に入ってる」「おいしかったです。子どもらも食べたし、(来て)良かった」

きっかけは新型コロナ

画像: きっかけは新型コロナ

驚くのはその値段。ラーメン、ごはん、餃子のセットを中学生までの子どもは、200円で食べることができます。さらに、家族で気軽に食べに来てほしいと、子どもと一緒ならなんと大人も200円。子ども食堂とは、貧困にある子どもに、温かい食事を無料または低価格で提供する場所。多くはボランティアなどが場所を借りて料理を作り、運営しています。松井さんが子ども食堂をはじめたきっかけ。それは新型コロナでした。

松井さん:「ちょっと自分で調べてみた時に、コロナになったってことで全国の子ども食堂が一斉に取りやめになった」

子ども食堂は、10年前、東京に誕生して以来全国に広がり、今やその数は6000ヵ所以上。しかし、その多くが新型コロナの感染予防のため活動ができなくなっています。そんな中、松井さんは自分自身の強みに気づきます。

松井さん:「(コロナ禍で)僕たち飲食業としても大変な思いがあって。ただ、しっかり努力して感染対策ができるのも僕たち飲食業なので、食事の提供を含むコミュニケーションの提供ができるんじゃないかなっていうのはありますね。」

また、客足の減少で余ってしまった食材もそのまま活用できます。食品ロスを減らしながら、子どもたちをサポートできるのです。

8000円の赤字、それでも「代えがたい時間」

子ども食堂を始めて1年。この日、店内は30分ほどでほぼ満席に。厨房にも活気が出ます。

松井さん:「家族が多いとすぐ埋まりますね」「楽しいですよね。喜んでもらえるのが」

客:「子ども食堂よく利用してます」「コロナ禍で子ども食堂やっていないところが多いので、やっぱり助かりますね。こうやってやってくれるのは、有難い限りです」

 かかる費用は毎月およそ2万円。100円の替え玉の売り上げを原資にして、客に協力を呼び掛けていますが、8000円ほどの赤字。ラーメン店の売り上げからその分を賄っています。

松井さん:「やっぱり同業の飲食業やってる方からも、今そんなことやってる場合じゃないんじゃないっていう。まずは利益を上げることを優先して頑張ってみたらっていう話はちらほら」

それでも…。松井さんは、何よりも代えがたい時間だといいます。

松井さん:「小さなお子さんが笑顔でご飯食べてくれて、帰りがけに『おいしかったです』『ありがとう』って大きな声で言われると本当に嬉しいので。(子ども食堂の)1時間、本当にそうですね、ご褒美ですね」

飲食店が地域の大きな力に

「お久しぶりです!」

この日、浜松市内で居酒屋を営む知人が、松井さんの元を訪れました。子ども食堂オープンに向けて、アドバイスをもらうためです。

松井さん:「日曜日っていうのは何か理由が?」
永塚久恭さん:「街中でイベントがあった時にくっつけてやろうと思って」
松井さん:「家族とかが街中来た時にとか」

もともとは、子どもの貧困対策として始まった子ども食堂。最近は、それだけではなく、松井さんのように子どもを含めた地域の交流の場を目指して始める人が増えています。

浜松田町ノ酒処 永
永塚久恭さん:「美味しいものを作れたりだとか、量もたくさん作れたりだとか。そういった意味で飲食店がやるっていうのはすごいいい意味があるし、やりやすいんですよ」

松井さん:「やっぱりコロナ禍で飲食業のあり方自体が問われる中で、自分たちの存在意義が何だろうって考えた時に、やっぱり僕ができることを少しやるっていう、すごいことでも何でもない普段の仕事の一部をそこに割り当てればいいだけなので」

コロナ禍で広がる支援の輪。飲食店が地域の大きな力となっています。

子ども:「ごちそうさまでした!」
松井さん:「ありがとう!バイバイ!」

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