【リニア】静岡県の専門部会がJR東海のパンフレットに不信感 「いま議論しているのに…」 どうなる「田代ダム案」 川勝知事は現地視察へ

静岡県 川勝平太知事(7月26日):「JRのパンフレットは驚きましたね。中間報告に静岡県や流域市町等との地域の方々との双方向のコミュニケーションをしてくださいと、一方的なものはダメですよ、ということだったんですけど、これ、残念ながら一方的なものになったということですね。そこは残念に思っております」

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【リニア】静岡県の専門部会がJR東海のパンフレットに不信感 「いま議論しているのに…」 どうなる「田代ダム案」 川勝知事は現地視察へ

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川勝知事「田代ダムの取水ができるがごとき内容になっている」

 川勝知事が「残念」と評価した「JR東海のパンフレット」。それは7月13日から配布が開始された「大井川の水問題」に関する冊子です。パンフレットにはJR東海がどのようにして水を戻していくのかが記されています。ところが…。

画像: 川勝知事「田代ダムの取水ができるがごとき内容になっている」

静岡県 川勝平太知事(7月26日):「田代ダムの取水についても、あたかもそれができるかのごときにとれる内容になっていますけども、そういうものではないでしょう。今、こうした問題があるわけですから。ですから、ここでしっかり説明していただいて、それを我々はこのオープンでやってますから、地域の方々に共有していただくと、こういう一方的な行動されると、かえって信頼を失うのではないかと思っております」

「静岡県の専門部会」でも厳しい声が相次ぐ

 実は、7月20日に開かれた「静岡県の専門部会」でも、このパンフレットをめぐり厳しい声が…

静岡県専門部会 塩坂邦雄委員:「訳がわからないというか、いいところだけ出ている」

静岡県 難波喬司理事:「大井川の水を守るためにというパンフレットで、田代ダムで調整する案は、前回の会議の後に申し上げたが、実現性があるかどうかが非常に重要で、こうやってパンフレットで実現できるような説明をするのが本当に不信感を感じるものでしかない。それについてはしっかり認識をしてほしい」

画像: 「静岡県の専門部会」でも厳しい声が相次ぐ

静岡県専門部会・森下祐一部会長:「私も非常にこのパンフレット等に違和感を持ちまして、専門部会で今議論しているということは一切書かれていない。ですから、これだけ見るとすべての物事は検討し尽くしていて、それを分かりやすく説明するという誤解を与えるものですね。それをわざわざこの“専門部会の前”に出すということは、もし私が当事者だったら逆効果だなと。不信感を植え付けるだけだなとしか思えない」

JR東海社長「理解深めていただくのが目的」

 専門部会の翌日、会見を開いたJR東海の金子社長はパンフレットの「意義」について、次のように話しています。

画像: JR東海社長「理解深めていただくのが目的」

JR東海 金子慎社長(7月21日):「私ども、地域の皆さんの懸念を払しょくをして、ご理解を深めていただきたいという目的で、こういうことを開始したわけです。目的はそういうことなので、私たちの意見を押しつけるとか、そういうことではなくて、疑問とか懸念を受け止めて、何とか解決をする。そういう形で進めていこうということでやっているわけです」

「田代ダム」案にも厳しい声

 このパンフレットをめぐる一連の発言の根底にあるのが「田代ダム案」です。田代ダム案を巡っては県の専門部会で厳しい声が上がっています。

静岡県の専門部会 静岡大学客員教授 森下祐一郎部会長:「ちょっとこれでは、全く検討できないというのが私の率直な感想」

静岡県の専門部会 神戸大学教授 大石哲教授:「そういうことが法的に認められるのかということについて懸念は示したはず。私の懸念に対して、全く反論が出ないというのは少し遺憾であると申し上げざるを得ない」

 大井川の最上流部に位置する「田代ダム」。東京電力が山梨県側で水力発電をするために大井川から水を取水しています。リニアのトンネル工事によって県外に流れ出る水と同じ量を田代ダムへの取水時にコントロールし、大井川の水量を維持する「田代ダム案」ですが、川勝知事は…。

静岡県 川勝平太知事(7月26日):「この全量戻しというのは、中間報告、全量戻しに関わる報告としては最終報告です。その報告において、国の有識者会議は、この先進抗を含めてトンネル掘削中に出る湧水は全て戻すというのが全量戻しの中身であると明記している。したがって田代ダムの取水抑制で戻すというのは、それにはもとるものですから、したがって全量戻しではない、そういう理解を持っている」

川勝知事が現地視察へ

 その田代ダム、8月、川勝知事が視察に行くことになりました。

静岡県 川勝平太知事(7月26日):「田代ダムについては、突然4月下旬に県の専門部会でJR東海のほうから提案されたもの。今までこの水だけはなんとか戻してほしいということで、東電と関係者、国も交えて交渉してきて、明確な数値を規定して、ようやく大井川の水が渇水しないで済むようになっているわけです。したがって一滴でも多くという気持ちが大井川の利水者にはある。しかしながら、これを勝手に取るわけにはいかない訳です。水利権というのがありますから。なんとか、この案が実を結んで美しい清流、これが上流から大井川の方に戻されることが実現するように、私としては心から願っていると。しかし、難しい問題が技術的にも法律的にもあると。これをどうクリアするかというのは、まさにJR東海の腕の見せ所と思っております」

 川勝知事も期待を寄せる「田代ダム案」。8月、知事が現地視察に行くことが決まりました。

Q:今回の視察で注目しているところなどありますか?

静岡県 川勝平太知事(7月27日):「それはですね、いくつかありますけれども、まず「道のり」ですね。(静岡市の井川地区に)トンネルが造られることになったのが2018年の6月のことでした。丸4年前ですね。そのトンネルがどのぐらい造られているのか、ということに大変関心があります。それから燕沢(=盛り土予定地)。それから取水抑制をするということで今話題になっております田代ダムというのが3つ。大きな注目点であります。文字通り、(南アルプスは)生きた自然であると、造山活動が最も世界で活発なところというのはどういうところかというのを、実際に知るっていうのはすごく大きな経験になると思いますね」

      (7月30日放送)