静岡・田辺市長「知事の携帯番号知らない…」 台風15号への対応 自衛隊の派遣要請遅れの真相か

台風15号の影響で大きな被害を受けた静岡市の田辺信宏市長は、復旧に向けておよそ107億円の追加の補正予算案を提出すると発表しました。

補正予算案はおよそ107億円

補正予算案は総額で106億9405万円です。災害ごみの処理や被災者に水道料金を減額する費用など、被災者・被災事業者への支援におよそ32億円。道路や橋梁の復旧工事費などインフラ・公共施設の復旧におよそ75億円が計上されています。補正予算案は開会中の市議会9月定例会に上程されます。

自衛隊の派遣要請が遅かったのでは…

一方、会見の質疑では自衛隊への派遣要請が遅かったのではないかという市民の批判の声について質問が上がりました。自衛隊への災害派遣要請は基本的に、市町村長が県を通じて要請します。しかし静岡市が要請を決めたのは、発生から2日後でした。遅すぎたといわれる対応に田辺市長は…。

静岡市 
田辺信宏 市長:
「自衛隊への派遣要請についても、24日土曜日から市内山間地域で崩落土砂撤去や断水への対応など派遣の3要件、緊急性・非代替性・公共性を考慮したうえで、その必要性や支援をいただく内容を検討しておりました。また市と県の担当者の間でも、派遣要請に関わる内容の相談・協議を行っておりました。従いまして、26日の段階で、急遽自衛隊の派遣要請を決めたわけではありません。
 清水区などの医療機関の水が不足するとの報告を受け、さらに緊急性が高まったと判断し県を通じて自衛隊による派遣要請を行うことを決定した。派遣要請のタイミングとしては適当であったと私は思う」

県からの打診は…

画像: 県からの打診は…

一方県から市に対して、自衛隊の派遣について打診があったと伝えられていることについては…。

Q: 24、25日の段階では県から自衛隊を派遣しましょうか、どうしますかという投げかけ打診はあったのか、それとも県からも、そこまでの打診もなく自衛隊どうしますかね、まだ良いんじゃないですかぐらいの協議だったのか、どういった温度感だったのか?

静岡市 
田辺信宏 市長:「私のところにはありませんでした。」

Q:どうして道路一本隔てた100m向かいにいる知事と電話一本しないんでしょうか?

田辺市長:「いま振り返って批判をすると言うことを私は避けたいと思いますけれども、ジリジリ待っていたのならば知事から1本電話を頂きたかったというふうな気持ちがある。月曜日知事と話をした後、私から知事に対して電話をし、そして派遣の要請をした」

川勝知事との連携は…

Q:電話連絡1本をしない関係であることを今、市民は嘆いているわけだが、そこにはどう答える?

田辺市長:「首長間は携帯電話でやりとりをするということが常識。県内の首長、あるいは全国市長会の会長、全部携帯電話で話す。しかし知事とは携帯電話ができない。知りません私、携帯番号を。かつて(番号を)教えてもらおうと思ったこともあったけども、残念ながら教えてもらえなかった。なので、なかなか知事とこういう緊急時に連絡をすることができないという状況が続いていて今回の災害に遭遇してしまった」

Q:多分ルートいろいろたどれば川勝知事の番号って多分どうとでも政治家のみなさんだったらなると思うんですね。知事の携帯の番号を知ろうとする努力をしなかったっていうことについてもちょっと疑問視せざるを得ないですけど、そこについてはどうなんでしょうか?

画像: 川勝知事との連携は…

田辺市長:「いやあ教えていただけないんです。副知事とは携帯でつながるんです」

Q:世間的に言われている知事と市長は不仲であるという。これはもうその通りですとお認めになりますか?

田辺市長:「そうですね、こういう緊急時にお互いを気遣って電話をし合おうという関係ができておりません」