【完全版】裾野市の保育園で虐待…寝ている園児に『ご臨終です』、足つかみ宙づりに 保護者怒り収まらず「当事者3人と話がしたい」「早く顔を出せ」 /今週の静岡

●11月29日 保護者説明会 裾野市
保護者:「ニュースで報道されていたことより、よっぽどひどいことをしているじゃないですか。宙づりにするとか、ご臨終だとか、自分の子どもがそんなことをされていたらと思ったら…。どう思います?」

保護者:「隠そうとでもしたんですか? ばれなきゃいいやって」

保護者:「あしたから私たちはどういう気持ちで預ければいいんですか」

保護者:「当事者3人。ここに連れて来てよ、今すぐここに」

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【完全版】裾野市の保育園で虐待…寝ている園児に『ご臨終です』、足つかみ宙づりに 保護者怒り収まらず「当事者3人と話がしたい」「早く顔を出せ」 /今週の静岡

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6月の段階で園に報告

画像1: 6月の段階で園に報告

 裾野市の私立「さくら保育園」で、1歳児を受け持つ保育士3人が虐待を繰り返していた問題。園や裾野市によりますと、「さくら保育園」の1歳児クラスを受け持つ保育士3人は、園児を倉庫に閉じ込めたり、足をつかんで逆さづりにしたり、お昼寝の時間に寝かしつけた園児に「ご臨終です」と繰り返し発言していました。虐待は日常的に行われていた可能性があります。

 園が事態を把握したのは8月のことでしたが、6月の段階ですでに1歳児クラスを担当する別の保育士から不適切な指導が行われていると園の主任に報告がありました。

 しかし、その後の見回りで不適切な指導が確認できなかったことなどから、園長への報告も行われず、対策には至らなかったというのです。

画像2: 6月の段階で園に報告

さくら保育園 櫻井利彦園長(11月29日):「やっぱり管理の面が甘かったと思います。私の方でもっとよく子どもたちを見ていれば、このようなこともなかったかなと思っております」

保育士「しつけのつもりだった」

 園によれば、虐待をしたとされる保育士3人のうち、2人に対しては9月に1週間の出勤停止処分とした上で、退職を勧告。もう1人はけん責処分としたということです。1人は、9月末に退職していて、あとの2人は、虐待発覚後の先月30日に退職しました。3人はおおむね事実関係を認め、「しつけのつもりだった」などと話しているということです。

 園が事案を把握してから3カ月以上が経って、ようやく明るみとなった今回の出来事。報道で初めて知ったという保護者も…。

保護者:「すごく雰囲気がいい保育園だと思っていて、評判もすごく良かったので『そんなことがあるんだ』とびっくりした。閉じ込めるとか、その子たちのトラウマになっていないか、それで周りの子に影響が出ないかが一番心配」

画像: 保育士「しつけのつもりだった」

 11月29日。ようやく開かれた保護者説明会。園は虐待の経緯を説明し、謝罪しました。

さくら保育園 櫻井利彦園長:「大切なお子さんの尊厳を傷つけてしまったこと、保護者の皆さんに大変なご迷惑ご心配をお掛けしたことに深くお詫び申し上げます。誠にすみませんでした」

 説明会は冒頭のみ報道陣にも公開され、その後は非公開に。虐待をしたとされる保育士3人は出席しませんでした。

「宙づりにする」「ご臨終」

画像1: 「宙づりにする」「ご臨終」

 番組では説明会の音声を独自に入手。園長が保護者に説明した事実は、衝撃的な内容でした。

さくら保育園 櫻井利彦園長:「午睡(昼寝)中の園児に対し、『ご臨終です』と言ったA保育士。園児の足をつかみ、宙づりにしたB保育士…」

保護者:「宙づりにするとか、ご臨終だとか、自分の子どもがそんなことをされていたらと思ったら…」

さくら保育園 櫻井利彦園長:「本日の説明会に至るまで、長い時間を要してしまいましたが、本件にかかる一部事案が弁護士同士の話し合いが行われている背景があり、ここまで説明が遅くなってしまったことをお詫び申し上げます」

 さくら保育園の櫻井園長は8月に事案を把握してから3カ月以上も、保護者に対して説明する機会を持てなかった理由をこう釈明し、謝罪しました。その後語られたのは、3人の保育士による悪質な行為の数々です。

画像2: 「宙づりにする」「ご臨終」

さくら保育園 櫻井利彦園長「A、常勤保育士、クラス責任者。B、非常勤保育士。C、派遣保育士。泣いている園児の写真を撮って笑ったA・B保育士。登園が遅い児童に『なぜ遅い?』と怒鳴ったB保育士。午睡(昼寝)中の園児に対し、『ご臨終です』と言ったA保育士。園児を探す機会に容姿を誹謗するような言葉を言ったA・B保育士。園児の足をつかみ、宙づりにしたB保育士。タオルで園児の頭を叩いたC保育士。給食を食べない園児に対し、頬をつねる行為をしたA・B保育士。倉庫や排泄室に園児を入れたA・B保育士」

 虐待が日常的に行われていたことをうかがわせます。さらに…。

さくら保育園 櫻井利彦園長:「園児をにらみ、ズボンを無理やり降ろしたB保育士。感染症の症状がある園児のおしりを他の園児に触らせたB保育士。園児の前で刃物を出したB保育士。どれ一つ取っても、絶対にやってはならない行為、絶対に許せない行為です。この行為を見て泣いている児童もいました。見ることで精神的な不安を感じて、泣いていた児童もいます。すべての園児が被害者です。すべての子どもたち、保護者の皆様に深くお詫びを申し上げます」

画像3: 「宙づりにする」「ご臨終」

 質疑応答に移ると、保護者の怒りが爆発。説明会は紛糾します。

保護者:「退職勧告、休職とか、懲戒免職じゃないんでしょうか。甘すぎるんじゃないと正直思うんですよ。私たち大事な子どもを預けていて、信用して。倉庫に閉じ込めるとか、1歳ですよ、まだ。何にもわからない。そんな保育士、保育士免許?奪でしょ。保育する資格ないでしょ。ニュースで報道されていたことより、よっぽどひどいことをしているじゃないですか。宙づりにするとか、ご臨終だとか、自分の子どもがそんなことをされていたらと思ったら…。どう思います? 自分の子どもがそういうことをされていたとしたら。なんで3・4カ月間何も言わないで黙っていたんですか。よく笑顔で私たち親に接することができたと思います」

さくら保育園 櫻井利彦園長:「(沈黙)」

 保護者からは虐待を繰り返していた保育士が直接謝罪すべきとの意見も…。

保護者:「あなたにぶつけたところで正当な、求めている返事は何も来ないし、だったらもう当事者3人。ここに連れて来てよ、今すぐここに。連絡をして、(園長は)何言っても私の責任です。そんなんで収まると思っているんですか?」

さくら保育園 櫻井利彦園長:「本当に申し訳ありません。まずは管理者の責任だと思っていますので」

保護者:「早く説明してください。謝罪はたくさん聞きました」

さくら保育園 櫻井利彦園長:「1人は連絡も取れない」

保護者:「は? なぜですか?」

保護者:「何を守っているんだよ」

保護者:「そもそも発覚してから、ちょっと伸びすぎですよね。あまりにも」

保護者:「隠そうとでもしたんですか? ばれなきゃいいやって」

保護者:「最初隠ぺいしようとしていたんですよね?」

園の職員:「そのような事実はございません」

保護者:「なんでうちの子どもたちを守れないのに、加害者を守っているんですか」

 およそ2時間半に及んだ保護者説明会。出席した保護者からは…。

保護者:「ニュースで報道されていたよりも、もっとひどい内容だった。もう人間のすることじゃないだろという、誰も納得してなかったし、みんな怒っていた。泣いている親御さんもいっぱいいた。ごめんなさい、すみません、申し訳ございません、しか言わない。ただ謝るだけの保護者会。誰一人納得してないと思う」

保護者:「実際どうしてそういうことを、どういう理由でしたんですか? といった理由が伺えなかったので、ちょっと腑に落ちないところがいろいろとある。僕の息子がそういった目に遭った可能性があるので、そういった意味でもすごく不安が残る説明だった」

連日の保護者説明会

林輝彦アナウンサー(11月30日):「まもなく午後7時です。続々と保育園に保護者が入っていきます。きのうは1歳児のクラスの保護者に対する説明会が行われました。これから3歳児から5歳児の子どもを通わせる保護者への説明会が行われます」

 今回の事案が明るみに出てから、園は保護者説明会を連続で開催。11月30日には、主に3歳から5歳児クラスの保護者が参加しました。説明会は非公開で行われ、虐待をしたとされる保育士3人は出席しませんでした。

保護者:「過去には(虐待は)ないとおっしゃっていましたが、子どもが保育園に行きたくなくて、めそめそしている時があったんですけど、理由を聞いたら、怖いと言っていました。うちの子だけが怖いと思っているのか確認したかったので、何人かのお母さんに相談したり、聞いたりしたことがありました。聞いたお母さんからの話でも、(子どもが)暴言を言われていそうです。今回の件だけではなく、他学年は本当に大丈夫ですか」

さくら保育園 櫻井利彦園長:「また気づけずに申し訳なかったです。他学年?」

保護者:「今回の1歳児以外のクラスは本当に一切何もないことを信じていいのか」

櫻井利彦園長:「今はないと…、ありません。」

職員に誓約書 園長「口止めではない」

 また、裾野市によると、10月、さくら保育園の園長が職員に対し、一連の問題を口外しないよう誓約書を書かせていたことが明らかになりました。

保護者:「新聞や報道で出た10月に先生が誓約書を書かされたというのは、きのうも何も説明がなくて、きょう初めて報道で知ったが、それは本当に園長先生の指示であったのか、その事実を知りたい」

さくら保育園 櫻井利彦園長:「誓約書というのはありました。今回発覚した事象を調査していく中で、園児の写真とかLINEで共有していたというところで、職員会議をして、写真を加工したデータが、行為が発覚しました。その上で、改めて業務中に知り得た園児および園外関係者の個人情報、資料、電子ファイル、ならびに当園の機密事項などを在職中はもちろん退職後も第三者に、故意または過失によって漏洩したりしないこと、および、その結果として当園に損害をかけないということを誓いますという内容のものです。別に決して一連の行為を口止めしようとか、そういうものではありませんので、皆さん誤解しないでください」

「当事者3人と話がしたい」「早く顔を出せ」

 説明会終了後、保護者の怒りは収まりません。

1歳児の保護者:「腹が立ってしょうがないです。一番は当事者3人と話をしたいです。だけど来なかった。直接謝ってもらいたいです。早く顔出せよって感じですね、親からしたら」

 1歳児クラスに子どもを預ける、こちらの保護者。自分の子どもが被害に遭っていたのではないかと話します。

1歳児の保護者:「その時期、ほっぺが青くて、あざみたいになっていた。ずっとずっと何日間も青くて、それも保育園のせいなんじゃないかと、今は思いますね」

市長「これは犯罪。刑事告発する」

 一方、さくら保育園を指導する立場にある裾野市の村田悠市長は、今回の問題について、刑事告発すべきとの考えを示しています。

画像: 市長「これは犯罪。刑事告発する」

裾野市 村田悠市長:「事実確認ができれば、虐待だと認定できると思っているので、それをもって刑事告発すべきと考えている。私はこれは犯罪であるのではないかと強く思っている」

 今後、裾野市は県と連携して、さくら保育園に特別指導監査を行う方針です。

虐待は4歳児にも…

 さらに虐待は、1歳児だけではありませんでした。1日、さくら保育園では、3回目の保護者説明会が開かれましたが、出席した保護者によりますと、園から新たな説明があったといいます。

保護者:「内部告発をした保育士さんに、公言しないようにって園長が土下座したって言ってました」

保護者:「カッターの件があったと思うんですけど、それは4歳の子にやったということで、保護者の方からの情報で今回分かったんですけど、それが新しい事実じゃないかと思う」

 その事実関係について園長は。

さくら保育園 櫻井利彦園長:「土下座はしました。せっかく入って来てくれた保育士に対して、そういう目に遭わせてしまって辞めてしまったというところで謝罪だった」

画像: 虐待は4歳児にも…

Q.4歳児にもカッターを見せたことは事実
A.「はい」

 土下座は隠ぺいではなく、保育士が退職したことへの謝罪だったと弁明しましたが、4歳児にもカッターを見せたことは認めました。園は6日に、改めて記者会見を開き事実関係や経緯を説明する方針です。