マイナンバーカード交付で役所は混雑…ポイント付与のカード申請期限は今月末まで 自治体は「出張申請サービス」も

河野大臣(10月):
「2024年度、秋に現在の健康保険証の廃止を目指す」

 国が発表した“現在の”健康保険証の廃止。
 
 この話が出て以降、関心が高まっているのが「マイナンバーカード」です。

 保険証がマイナンバーカードと一体化されることで利便性が高まるというのが国の狙いですが、今、ある異変が・・・。

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ポイント付与のためのカード申請期限は今月末

高齢者:「(暗証番号を)数字で?」

市職員:「そうです。4桁です」

高齢者:「はい」

市職員:「そしたらきょうは、どこまで紐づけますかね、マイナンバーに」

高齢者:「三つ」

市職員:「三つ、口座も登録しちゃって大丈夫ですか?

高齢者:「はい」

 申請をすれば最大2万円分のポイントがもらえるマイナンバーカード。

 ポイント付与のためのカード申請期限が今月末に迫っているということもあり、役所に駆け込む人も増えているといいます。

 ただ、全ての人がスムーズに手続きできるわけではありません。

伊東市民 80代:
「若い人はともかく歳とって、パソコンも使えない、なんていうのかしら、携帯のあれもできない、そういうふうな(手伝いの)サービスをしてもらって初めて(申請)する気になるんですよね。

 伊東市ではマイナンバーカードの申請方法が分からない人に向けてサポート体制を整えました。

伊東市市民課 大川雄司課長:
簡単に市役所の方で出来るようにサポート致しますので申請の方をしていただければというふうには考えています、あの一人でも申請するつもりはあるけれどもなかなか操作が分からないとかで時間が取れないそういうことに対してサポートしていきますので是非ともお声かけいただければというふうに思います。

 なぜ、ここまで力を入れるのか。そこにはこんな背景が・・・

伊東市市民課 大川雄司課長:
「なんとか41.4%まで交付のほうはさせていただいています。9月頃からだいたい3%ぐらい上がっているかと思います。」

Q3%というと具体的な人数は?
「(伊東市の人口)6万人の3%ですから、1800人から2000人くらいだと思っています」

画像: ポイント付与のためのカード申請期限は今月末

自治体は交付率アップのため「出張申請サービス」も

実は伊東市、マイナンバーカードの交付率が県内で最も低いんです。

 8月末時点で県全体が48.0%だったのに対し、伊東市の交付率は39.3%と県内最下位でした。

 ただ、11月末時点で交付率は43.5%にまで上昇。その背景にあったのが、市が始めた出張申請サービスです。

栗田アナ:「こちらはどういった使い方があるんですか」

大川課長:「こちらのタブレットですね、申請書の QRコードがついてまして、こちらの QR コードを読み込みます。読み込んだ上で、こちらの住所・氏名・生年月日等がデータとして取り込まれます。その上でこちらのカメラでご本人さんを撮影させて頂きます。そうするとその顔写真とこちらのデータをインターネット回線で飛ばしまして、作るところへ申請、データが飛んでいくとそれによってそれだけで申請が完了すると」

栗田アナ:「それだけでできるんですか?」

大川課長:「はい」

 実際、市内の企業や役所に足を運ぶことができない人などからも申し込みをしたいという問い合わせが増えたと言います。

伊東市市民課 大川雄司課長:
「市内の建設業の方であるとか自動車関係の方々、そういうところからの個別に連絡をいただいて、サポートに伺ったりしています。操作の仕方が難しいなと思った方がいらっしゃるようで、実に簡単にできるって事で驚く方も多くて、周りの方にも言っているはといううれしい話をいただいた」

伊東市民 80代:
「ほんとに手取り足取り教えてもらわないとできない工程でした。ちっとほっとしている」

伊東市民 80代:
「簡単に来たもんね」

 伊東市では、今月も出張申請所を設置予定。

 10月以降、市内の大型ショッピングモールなどに会場を設けて、申請数の増加を目指しています。

伊東市市民課 大川雄司課長:
「待ってても今まで申請に来ていただけないっていうのが現状でしたので、やはり私どもの方から広報も含めて、出かけていかないとというふうに考えて今回出張サポートをさせて頂いております」

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静岡市のカード交付窓口は混雑

栗田麻理アナウンサー:
「静岡市葵区役所です。 こちらはマイナンバーカードの交付窓口ということでおよそ40席ある待機席は、ほぼ満席で、(保険証の一体化などにより)毎日多くの予約が入っているそうです」

 静岡市が設置するマイナンバーカードの交付窓口。

 カードを受け取りに来た人たちで待機場所は混み合っています。

静岡区民 60代:
「(電話で)私の予約を取った時には割とスムーズに取れました。(前回の交付は)全然なかったです。はい、予約してきて、本当に今の状態ではなくて座って2・3分とか、交付になってたんで」

 これまでの交付数は7月までにおよそ1500人でしたが、先月はおよそ5900人と増えています。

静岡市・葵区役所 戸籍住民課 石上慧悟 主任主事:
「受け取りの方が大変増えています。平日が二週間先まで満席で土日は今月いっぱい全部満席になってます。申請数が増えてきているということから休日も増やしました」

画像: 静岡市のカード交付窓口は混雑

混雑の要因は

静岡市・葵区役所 戸籍住民課 石上慧悟 主任主事:
「(マイナポイント付与対象の)申請が12月までということで、それが一つの要因だと思います。二つ目が保険証との関係もありますので。やはり今までよりも問い合わせが増えてカードを作りたいって方の電話がかなり鳴っているので関心がかなり高まったのかなと思う」

 市では、今月1日からマイナンバーカードの交付窓口を4ヶ所から9ヶ所に増設。

 受付人数も9人体制にして、1日で約450件分の交付ができるよう対応しています。

静岡市・葵区役所 戸籍住民課 石上慧悟 主任主事:
「交付体制は今最大値。区役所の方でできる限り出してますので、その中で2週間先まで満席なんですが(予約の)キャンセルも出ますので、とりあえず電話をして頂いて空いているところにどんどん入れさせてもらいますので、まずは電話で予約の方をしていただきたい」

画像: 混雑の要因は

ポイント受け取りサポートも混雑

一方で、ポイントの受け取りにも課題が出てきているようです。

 静岡市でもサポート体制を整えました。ただ、窓口を利用する人の多くは高齢者。

 パソコンやスマートフォンなどの操作が難しいため、サポート希望者で長い列が。

 マイナポイントの支援窓口では、カードの交付窓口と違って事前の予約はなく、来館した順に受付をします。

 取材したこの日は、1時間待ちでした。

葵区民 70代:
「待つのが大変。自分はもう歳なもんだからパソコンが使えないじゃん。だから、若い人はスマホか何かでできちゃってんだよね。そういう点があるんだよね。歳よりには大変不親切」

葵区民 20代:
「やっぱり僕らたちに比べると高齢の方はやっぱり使いにくいのかなというのはちょっと感じています。スマートフォンパソコンでの申し込みが割とそれの申し込みが必須になってくると思うので、その辺をもうちょっと改善してあげれば、高齢の方ももっと使いやすくなるのかなとは思う」

静岡市・葵区役所 デジタル化推進課 久保田敦之 課長:
「マイナポイントの予約のお客様がかなり増加しておりますので、待ち時間がかなり長時間に渡ってご迷惑をおかけしておりますので、窓口の支援を増員して対応させていただくことで考えております。」

画像: ポイント受け取りサポートも混雑