行方不明になっていた女性の遺族が会見「あの日のままで止まっていた時計を今に合わせ前を向いて歩んでいければ」

静岡県熱海市の土石流災害で唯一行方不明となっていた女性の遺族が会見し
「あの日のままで止まっていた時計を今に合わせ前を向いて歩んでいければ」などと話しました。

画像: 行方不明になっていた女性の遺族が会見「あの日のままで止まっていた時計を今に合わせ前を向いて歩んでいければ」

太田朋晃さん:
「これ 中は見せられないが 母が帰ってきましたので、いろいろ長い間ありがとうございました」

 20日午後4時半過ぎ、熱海市内で会見を開いた太田朋晃さん(57)。

 土石流で母(当時80歳)を亡くしました。

太田朋晃さん:
「優しい母でした。正直思いだすことばかり。お帰り、寒かったね。よく頑張ったね 出てきてくれてありがとう」

 おととし7月熱海市伊豆山地区を流れ下った土石流。

 災害関連死を含み27人が犠牲になり唯一、母親だけが行方不明となっていました。

 発災、1年半が経った1月18日。

 熱海港の土砂の仮置き場で捜索しにあたっていた警察官が骨のようなものが見つけ2月9日、DNA鑑定の結果、母親の左前腕の骨と判明しました。

 その後、熱海市は母親を災害死と認定しました。

 会見に先立ち太田さんは熱海警察署を訪れ、和子さんの遺骨を受け取りました。

太田朋晃さん:
「私個人としては海まで流されたと思っていたので、骨が出てくるとは想像していなかった。1年7カ月が経ったが、 やっと母が帰ってきた。 母の供養ができることを嬉しく思う」

太田朋晃さん:
「あの日で止まったままの時計を今に合わせ前を向いて歩んでいければと思う」
太田朋晃さん:
「こういう災害が二度と起こらないように。こういう被害者が出ないように安全第一でやってもらえればと思う」