『家康ブーム』に乗って絶好調…「安倍川もち」「お茶」全国に広がる静岡の“名産品”

 静岡市葵区の静岡浅間神社。徳川家康が14歳の時に「元服式」、今でいう「成人式」を行った場所としても知られています。そんな家康ゆかりの神社の境内に、今年1月に期間限定でオープンしたのが、こちらのギフトショップ「家康公初恋の地しずおか」です。店内を覗いてみると、家康!家康!!こちらも家康!!! 150種類もの徳川家康関連グッズが所狭しと並んでいます。

画像: 『家康ブーム』に乗って絶好調…「安倍川もち」「お茶」全国に広がる静岡の“名産品”

一番人気は「安倍川もち」

家康公初恋の地しずおかギフトショップ 中原愛理店長:「家康ブームで多くのお客様が ご来店していただいています」

画像1: 一番人気は「安倍川もち」

 こちらの「駿府城」のペーパークラフト。これまではあまり注目をされていない商品でしたが、家康ブームの影響もあり、ゴールデンウイーク期間中には店にあった在庫が全て無くなってしまったそうです。

画像2: 一番人気は「安倍川もち」

 静岡県民にはお馴染みのお土産「安倍川もち」。店によると、これまでは平日に1日10個、休日には20個売れればいいほうだったという商品にも、大きな変化が。

家康公初恋の地しずおかギフトショップ 中原愛理店長:「GW期間中(4/30~5/7)に330個販売いたしました。他の商品と比べても一番売れています」

 こちらで販売されている「安倍川もち」には、パッケージに家康と葵の御紋が描かれています。今では「食べ物関連」のお土産の中で断トツの売り上げを誇るまでになりました。人気の理由はいったってシンプルなのではないかと店長は分析しています。

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家康公初恋の地しずおかギフトショップ 中原愛理店長:「家康公がパッケージに描かれていること、静岡と言えば“安倍川餅”ということで、お土産に最適な商品になっていることで(購入してもらっていると思います)」

 「家康」がパッケージに描かれていることで、客が商品を手に取る“きっかけ”につながっているといいます。実際に、買い物客に聞いてみると。

観光客は…

静岡出身で京都在住
Q,家康パッケージの安倍川もちを購入した理由は?
A.「絵柄ですね。これは喜んでもらえると思います。うちの奥さんの実家に渡そうと思って手に取りました」

兵庫から:「売れると思う。やっぱり目立ちますよね、(土産コーナーでも)目につくと思うから、お値段的にも買いやすいんじゃないかと思う」

「安倍川もち」製造元は思わず笑ってしまうほど…

 「家康パッケージ」の「安倍川もち」の製造元は、三代目歌川豊国の浮世絵のパッケージで知られている静岡市の「やまだいち」です。店頭にずらーっと並ぶ「安倍川もち」。JR静岡駅のパルシェ1階にある「やまだいち」の店舗にも家康パッケージが置いてあります。

画像: 「安倍川もち」製造元は思わず笑ってしまうほど…

やまだいち 山田照敏代表取締役
Q,安倍川もちの売り上げはいかがですか?
A.「3,4,5月と家康の注目もあるし、コロナが終わって人の移動が増えて、2割か3割は増えているんじゃないですか。もっと増えて欲しいですけれど、ハハハ」

 思わず笑ってしまうほど売れているようです。「家康パッケージ」は家康ブームを見越して今年の1月から販売を始めたといいます。

やまだいち 山田照敏代表取締役:「家康が注目されるということで、駿府城公園にある家康の銅像の写真を使ってパッケージすることで許可を得ましたので、今年からやってみようということで始めた。おかげさまで評判良いですよ」

「安倍川もち」徳川家康命名説も

画像: 「安倍川もち」徳川家康命名説も

 そもそも、安倍川もちと家康には深い関りがあるんです。実は「安倍川もち」と命名したのは徳川家康だと言われています。

やまだいち 山田照敏代表取締役:「天下人の家康公に名付けいただいて、それで我々は商売をさせていただいている。ただただ、ありがたいということですね」

東名高速「日本平PA」で人気の「本山神茶」

 東名高速「日本平パーキングエリア上り」。静岡ならではの有名なお菓子が並ぶこちらにも家康関連の商品が!

画像1: 東名高速「日本平PA」で人気の「本山神茶」

 数ある商品の中でも、今、特に売れているというのが「本山神茶」。久能山東照宮 献上茶 徳川家康の文字も記されています。

 茶葉だけでなく、ティーバッグや粉茶、手軽に飲めるようにペットボトルも揃えるなど全部で5種類を展開しています。

画像2: 東名高速「日本平PA」で人気の「本山神茶」

日本平パーキングエリア 藤池和夫店長:「ペットボトルが一番よく売れていまして、次に100g入りの煎茶がよく売れています」

 この「本山神茶シリーズ」は、お茶コーナーの中でも群を抜く売り上げを誇り、売り場も2カ所設けるなど、力の入れようが分かります。

売れ行きは去年の10倍

 「本山神茶」の製造元は、静岡市葵区北番町にある「かねはち茶園」。明治27年創業の老舗製茶問屋です。「本山神茶」は2015年に行われた「徳川家康公四百年祭」にちなんで、久能山東照宮と共同開発した商品だそうです。それがここにきて、突然大ヒット商品となりました。

かねはち茶園営業部長 田村晃さん:「発売以来、今一番売れています」

 去年と比べると売り上げはどれくらい違うのでしょうか?

かねはち茶園営業部長 田村晃さん:「ざっと10倍(ぐらい)ですかね。春先からGWにかけて売り上げが大変伸びている商品になっている」

 「本山神茶」に使われているのは 家康の「御用茶」として愛飲されていた「本山茶」。静岡市を縦断する安倍川と藁科川の上流、川霧のかかる山の斜面で栽培されています。1枚1枚の茶葉を針のように細くよった、昔ながらの浅蒸し茶です。

画像: 売れ行きは去年の10倍

かねはち茶園営業部長 田村晃さん:「この家康ブームに乗って、今まで本山茶を飲んだことがない人たちにも飲んでもらえるきっかけとなって全国に広めていけるように頑張ります」

 「安倍川もち」に「お茶」と、県民にとってもお馴染みの商品が「家康ブーム」と共に全国へ広がっています。静岡の“名産品”をPRするチャンスはまだまだありそうです。