「今から家に行く」…電話受けた91歳女性が語る恐怖 「もう怖くて怖くて…」

詐欺電話を受けた女性(91):「(家に)伺いますと言ったから、本当に何とも言えないっけ、ドキドキしちゃって。もう怖くて怖くて。何しろ殺されるとか傷つけられるとか、そういう痛い思いしたくないから、そういうのが怖いよね」
 こう話すのは、焼津市に住む高橋節子さん91歳(仮名)。先週水曜日、高橋さんの自宅に1本の電話…。

画像: 「今から家に行く」…電話受けた91歳女性が語る恐怖 「もう怖くて怖くて…」

「不用品を高く買い取る」「今から行く」

画像1: 「不用品を高く買い取る」「今から行く」
画像2: 「不用品を高く買い取る」「今から行く」

男「もしもし。私、リサイクルセンターの者で、いま不用品を高く買い取っています」
高橋さん「いらないものは家にないです」
男「いらないものあるでしょ。靴とかお皿一枚でもいいんですよ」
高橋さん「いらないものは何ひとつ置かないので、ないですよ」
男「本当ですか。とりあえず、これから伺いますよ」

 在宅状況や資産などを聞き出そうとする、「アポ電」だったのでしょうか。高橋さんは夫と息子夫婦と同居していますが、この時は1人でした。

高橋節子さん(仮名):「私の方から『何にもないから来ても無駄ですよ』『すいませんね』と切った。夫が(家に)いないことを言わなくて良かったと思って」

「アポ電」事案は全国で増加傾向

 今のところ高橋さんに具体的な被害はありません。しかし、高橋さんが受けたような「アポ電」が疑われる事案はここ最近、全国で増えているのです。

警察官を装い…
「強盗の犯人を捕まえた」
「(犯人は)あなたの家を狙っていた」

画像1: 「アポ電」事案は全国で増加傾向

 関東を中心に相次いでいる窃盗や強盗事件。指示役で“ルフィ”の可能性がある男らが逮捕されましたが、一連の事件に便乗したとみられるアポ電が、1月から2月にかけて静岡県内の2件を含む全国10都府県で50件確認されています。

 県内では過去にも、似たような手口の電話が…。

警察官を装う詐欺電話
「もしもし。××さんのお宅でお間違いないですか。私××警察署 生活安全課のクドウという者なんですけど、いま警察本署から緊急連絡ということで、お伝えしたいことがあって電話した。××警察で3日前に18人(詐欺の犯人を)逮捕した」

 3年ほど前、県東部の高齢者の家にかかってきた電話。「警察官」を名乗ったうえで、「犯人を逮捕した」という導入部分は、ルフィ関連の「アポ電」とまるで同じです。

画像2: 「アポ電」事案は全国で増加傾向

警察官を装う詐欺電話
「今回逮捕した詐欺グループ18人の中に、市内で勤務していた銀行職員や信用金庫、郵便局、JAなどの職員を6人逮捕した。登録されている××さんの口座情報を詐欺グループに情報提供していた。市内で生活している79人分の名前や個人情報の書かれたものが出てきた。今被害にあっているか、今後すぐに被害が出る可能性が非常に高かったので、しっかりお守りするために連絡した」

 具体的な数字を出すことで警察官だと信じさせ、個人情報を聞き取ろうとしました。実在する警察署の警察官だったり、架空のリサイクル業者だったり、犯人は様々な人物になりすまします。

今度かかってきたら『お客さんが来てるからごめんなさい』と言って切る

 そして、アポ電は誰の家にもかかってくる恐れがあります。

詐欺電話を受けた高橋節子さん(仮名):「向こうの言ってることを聞いていると、ドキドキしちゃってね。傷つけられるのが怖いよね。ガムテープ貼られて、手足を縛られたってあるでしょ。そういうのされたらどうしようって。話を聞くと怖気づいちゃって。(今後は)『お客さんが来てるからごめんなさい』と言って切る、そういう覚悟でいる」