旬を映す海鮮ダイニングは旅人も常連も惹きつける 沼津市「芦川」
沼津市原に暖簾を掲げる「季節の台所 芦川」。地元旅館で修業を積んだ店主・芦川文崇さんが開いた海鮮料理ダイニングは、落ち着いた雰囲気の中で旬を味わえると評判だ。地元客に加え、観光帰りに立ち寄る人も多く、幅広い世代が集う。看板のひとつは「ネギトロ海鮮丼」。沼津港の魚屋から仕入れたサーモン、タイ、カンパチに、漬けにしたマグロを合わせ、さらに粗めに叩いたネギトロを盛り込む。卵黄とわさび醤油が絡み合い、濃厚ながらも爽やかな後味を残す一杯だ。

秋の味覚として外せないのが、サンマ。塩焼きは脂のりが良く、ふっくらと焼き上がる。身が厚く、食べ応えも抜群だ。

さらにサンマを三枚におろし、片身を刺身に、もう片身を炙りに仕立てる一皿も好評。刺身はネギとショウガでさっぱりと、炙りは肝じょうゆで旨みと苦味を堪能する。昨年は不漁で提供できなかっただけに、今年の豊漁は格別だ。

酒肴として人気なのが「あさりときのこの酒蒸し」。マイタケとシメジを加え、日本酒で蒸し上げ、仕上げにバターをひとかけ。濃厚な旨みが広がり、酒との相性も良い。

さらに秋鮭とジャガイモを角切りにし、チーズをのせて焼き上げた鮭とポテトのチーズ焼きは、シンプルながら素材の味を生かした一皿だ。

煮付けはキンメダイだけにこだわっているんだとか。沼津港で仕入れた新鮮なキンメダイを、砂糖と醤油、そして酒のみで煮る。水を一切使わないため、味が凝縮し、身はやわらか。甘さを控え、素材の持ち味を際立たせている。

漁港直送の魚介と旬の野菜を気軽に楽しめる「芦川」。ここで味わう料理は、まさに季節そのものを映す一皿だ。

季節の台所 芦川
沼津市原1546-1
電話番号:055-939-9824
定休日: 火曜日
営業時間:17:30-23:00 L.O.22:00
Pあり