静岡県副知事「周辺の水が集まりやすい場所に違法な盛り土」 知事は条例改正の方針示す 熱海市の土石流
Q.盛り土が違法ということは確定?
A.「これは確定ですね。15メートルで申請されながら、50メートルくらいの盛り土がなされた。したがって条例違反の大規模な盛り土が行われていた。これは確度の高い結論」
11年前には盛り土の工事完了か
静岡県によりますと、2009年3月、当時の所有会社が土砂の搬入を始めたということです。 これは搬入開始からおよそ1年9カ月後の2010年12月の映像では、工事が完了し、盛り土が段になった状態が確認できました。撮影したのは、当時、土地の紹介をしていた不動産関係者です。
不動産関係者
「2010年の11月から12月にかけては、盛り土自体は終わっていた。私が見たときは盛り土の上に産業廃棄物みたいなものが積まれていた。洗濯機だとか冷蔵庫だとか、テレビとか自転車とか、俗に言う粗大ごみ的な」
この時点で、市は盛り土の中に産業廃棄物が混入されていることを確認していて、撤去などの行政指導を何度も行っていました。
不動産関係者
「熱海市のまちづくり課というところに行って、聞いて調査して。買い主候補も心配をしていたので、我々の方ではしつこいぐらいに聞きに行った記憶がある。『あなたのお客さんが買ったら凝固剤を必ず入れてくださいね』というのは担当者の方から言われました。違法な盛り土をしているのは少ないから。とめるチャンスはあったと思います。それから現所有者の方に移ってからも行政指導で何かできたと思います」
2011年2月には所有権が移りました。新しい所有者に対しても行政指導が行われたとみられますが、はっきりしていません。ただ、盛り土にはその後も手が加えられた形跡があるといいます。
難波喬司副知事
「草も張られているので、この状態を見ると誰かが手を入れたのだろうと。2010年より前の写真を見ると、表面があんなにきれいな形になっていない。買った方が何らかの手を入れた。ただ、それは対処療法であって、この盛り土は根治療法をしなければ駄目だったのに、対処療法で表面だけ直したというのが実態」
土石流と盛り土の因果関係の調査が進む中、前の所有会社代表の代理人が取材に応じ、代表が「全部、自分で盛り土を作ったわけではない」と説明していることがわかりました。
神奈川県小田原市にも、その代表の別会社が開発している土地がありました。近所の人によると、ごみは3年前から増えていったといいます。
近所の住民
「朝方、何度かトラックで運んできて、知らない間にこんなような、最初は1~2年置かせてもらって別のところに移動させるので、ということだったので様子を見ていたんですけど、結局そのままの状態で」
川勝知事は条例改正の方針示す
静岡県の川勝平太知事は業者が何度も行政指導を受けながら不適切な行為を繰り返した点に触れ、条例を改正する考えを示しています。
静岡県 川勝平太知事(13日)
「私たちとしては、今の条例で、それなりに対処出来てきたと思ってきた節がある。しかし、それではダメだと」
県は土石流の原因と行政の手続きについて、専門チームで検証するとしています。
副知事「盛り土が土石流の原因なのかは特定に至っていない」
14日午後、再び会見を開いた難波副知事。きのう13日の会見を踏まえて、報道陣から寄せられた、およそ60の質問に回答しました。
難波副知事
「土石流の原因は盛り土でいいのか。それとも起点はまだわからないという見解か、(という質問ですが)。これはわからないというか、特定には至っていません。究明してもデータがとれないので、わからないと思います。したがって、起点が何だったか、最初のきっかけが何だったかは、最後まで特定できないのではないか思う」
崩れた盛り土にも産業廃棄物が含まれていた認識なのかを問われると―
難波副知事
「白いものが、いろいろ、私が見た限りでも、小さなものがありましたし、このあたり白いものが残っています。ビニール風の白いものがあるが、盛り土をしたときの土のうじゃないかなと思うが、わかりません。ただ、それは表面ですから下に何が入っているか確認できていません」
(7月14日放送)