書き入れ時にダブルパンチ…東京の緊急事態宣言に土石流災害 「熱海全体が被害と勘違いされている」 静岡・熱海市

須藤誠人アナウンサー(12日午後1時ごろ)
「午後1時前のJR熱海駅前です。普段ですとお昼を食べた後に、この商店街を散策する人の姿が多く賑わうんですが、きょうはそこまでその数は多くありません。伊豆山地区への土石流被害、そして東京への4度目の緊急事態宣言が影響しているようです」

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被災地以外にも影響

 首都圏からの観光客が8割を占める熱海。土石流被害が発生した伊豆山地区以外では、インフラなどに被害は出ていませんが、その影響は市内全域に広がっているといいます。

熱海市 斉藤栄市長(11日)
「熱海市内でも伊豆山以外のエリアで、かなりの数、数値を正確に把握していませんが、かなりの数のキャンセルが出ている。これから夏の繁忙期を迎えるにあたって、風評被害が広まらない形の情報発信を私も心掛けなければいけませんし、観光地としての経済が止まることのないようにしなければならない」

 風評被害が熱海市全域に及んでいるといいます。そこに追い打ちをかけるのが、きょう12日から東京で始まった4回目の緊急事態宣言です。期間は夏休みやお盆の期間を含む、来月22日までとなります。

通常通り営業のホテルも…初日70件、翌日以降も50~70件のキャンセルが

 熱海市南部に位置するこちらのホテル。被害はなく通常通りの営業を続けていますが、予約のキャンセルが相次いでいます。

画像: 通常通り営業のホテルも…初日70件、翌日以降も50~70件のキャンセルが

ホテルの代表取締役:「(土石流発生の)初日が70件くらい半日であって、翌日以降も50~70件くらいがずっと1週間続いて、ここにきて少し収まったかなと思ったら、緊急事態宣言なので、やはり継続してキャンセルが多い状況。緊急事態宣言下でのオリンピック開催は想定していなかった。オリンピックを開催するなら通常通りの観光ができると期待していた」

 7月と8月は1年で最も予約が入るトップシーズン。こちらのホテルでは予約でほぼ満室でしたが、現在はキャンセル数が予約を上回っている状況だそうです。

ホテルの代表取締役:「観光の街だから、観光で復興するしかない。この緊急事態宣言下、観光を頑張りたいって言えない。これは何とももどかしいのが今の気持ち」

菅総理は 「再建チームを」

画像: 菅総理は 「再建チームを」

 きょう被災現場を視察した菅総理は―

菅義偉総理大臣(12日午後4時ごろ)
「住民の皆さんにとっては、コロナで厳しい状況で熱海は風評被害などキャンセルなど厳しいと聞いた。前を向いていけるように再建チームを国と連携しながら前に進めていきたい」

観光客は 

そうした中でも、都内からの観光客の姿が―

東京からの観光客 70代
「伊豆をまわって3泊くらいしようと思っていた。土石流のニュースを聞いてやめようかと思ったが、去年から予約していたので、1泊だけにして、きょう帰る。東京で宣言がまた出たりして、戻らなきゃと思って」

 中には、宿泊施設に確認してから熱海に来たという人も。

東京からの観光客 70代
「1週間前のちょうど土石流があった日に、(宿泊施設に)電話したら、『こっちは影響ありませんので、おいでください』ということだったので来た」

駅前の商店街 「熱海全体がああなっていると勘違いされている」

画像: 駅前の商店街 「熱海全体がああなっていると勘違いされている」

 発生から初めての週末を迎えた10日、駅前の様子はというと…。
 観光客の姿は見られますが、普段の週末と比べると8割ほど少ないのではないかと話す商店街の人も。

こちらのひもの店でも土石流の発生後、東京への4度目の緊急事態宣言もあいまって、キャンセルの連絡が数件入ったそうです。

ひもの店代表:「あれだけの映像が流れると致し方ないと思うが、皆さん熱海全体がああなっていると勘違いされている。だけどこの駅周辺は、ちゃんと営業している。熱海市全体の雰囲気が落ち込んでいるのはある。引き続き頑張って皆さんやっているので、その辺りを上手くアピールしたい」