静岡・熱海市伊豆山地区 小学校の2学期は別の学校で 被災地域の防犯カメラの運用も
伊豆山小学校は別の学校で新学期
熱海市の土石流現場では、きょうも午前8時から民間の重機を使った捜索活動と土砂の撤去作業が行われました。きのうの捜索で新たに遺体で見つかった1人は災害死と認定されました。これまでの死者は25人、行方不明者は3人となっています。
藤井章人記者:「午前8時を過ぎたところ。伊豆山小学校の子どもたちを乗せたバスが泉小中学校に到着しました。2学期からはこちらで授業を受けます」
熱海市の伊豆山小学校は学校が避難所になっているほか、復旧工事のため通学路を大型車両が行き交うなど通学が難しい状況になっています。このため児童は2学期から6キロほど離れた市内にある泉小中学校で授業を受けることになり、きょうは児童およそ50人が専用のバスで登校しました。
始業式で校長が伝えたことは…
午前9時過ぎから行われた2学期の始業式。國原尋美校長が久しぶりに顔をあわせた子どもたちに語り掛けました。
伊豆山小学校
國原尋美校長:「7月3日の災害は伊豆山地区の皆さんの生活を一変させ、町にも皆さんの心にも大きな傷を残してしまったなぁと思います。皆さんがいつも通ってた通学路や町探検で出かけた美しい緑の山々が形を変えて今も復旧工事が続いています」
それでも支援や励ましのメッセージが県内外から届いたことに触れその後、伝えたことは…
國原尋美校長:「この困難を乗り越えたとき、伊豆山小学校として、また一人一人の実力が備わると考えています。一緒にゆっくりでいいのでいいので前を向いて歩き出しましょう」
土石流発生以降、学級全体で顔を合わすのは初めてという子どもたち。2学年が一つの教室で学習するということです。学校側は運動会なども実施していきたいとしています。
國原尋美校長:「いつもと違う所で緊張もして生活をすると思うので、それら辺りは疲れが見えるのは当然だと。でもやっぱり子どもの安全を第一に考えて、保護者も交えて今後話し合っていこうと思っています」
2学期の間は泉小中学校での授業が続く見通しです。
一方で防犯カメラの運用も
一方伊豆山地区に防犯カメラが設置され、きょうから運用が始まりました。
警察によりますと土石流の被害を受けた熱海市伊豆山地区では、これまでに窃盗2件と住居侵入1件の被害が確認されています。このため地域住民と警察が犯罪抑止や地域住民の不安感を解消するため、地域に防犯カメラを設置することになりました。
きょうは伊豆山の岸谷・仲道・浜の3地区の町内会長と熱海警察署長が出席、協議書にサインし防犯カメラの設置状況を確認しました。防犯カメラは今後被災した地域につながる道沿い等に
10台が設置され、不審な車や人物を確認するということです。