29日も強制捜査続く 業務上過失致死の疑い 静岡・熱海市土石流災害

高橋リポ:「午前10時半。きのうに引き続き、捜査員が関係先に入っていく」

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強制捜査に発展した熱海市土石流災害の盛り土問題。警察は29日も業務上過失致死の疑いで、盛り土を造成した不動産会社の関係先を家宅捜索しています。

 警察は28日、東京や神奈川などにある、不動産会社や現在の土地所有者の関係先およそ20か所を捜索しました。関係書類を押収するとともに、前の土地所有者である不動産会社の元代表に任意で話を聞くなどして、盛り土造成の経緯を調べる方針です。また、県と熱海市も、造成の経緯が記された資料を警察に提出しているということです。

 土石流に襲われた、熱海市伊豆山地区。26人が死亡し、いまだ1人が行方不明のままです。家宅捜索を受けて、被害者の会が会見を行いました。会長を務めるのは、土石流で母親を亡くした瀬下(せしも)さん。8月に警察に告訴状を提出しています。

被害者の会会長 
瀬下雄史さん:「業務上過失致死、並びに重過失致死という罪名で告訴いたしましたが/できれば、より厳罰に処するべく、捜査が進んでいくことを祈っております」

被害者の会 弁護団:「(元代表に加え)現在の所有者に対しても殺人罪の刑事告訴をするということを弁護団および被害者の会として決めました/天災ではなく人災だったと。まさに殺人盛り土だったということが、司法機関においても明らかになってきたのではないかと」

 18日、県が発表した資料では、10年前、市が盛り土工事の停止命令などの発出を検討するも、見送っていたことがわかりました。市によると、前の所有者の関連会社が、改修工事を行ったため見送り、経過観察するように判断したためです。

 県は、12月に弁護士らで構成する委員会を立ち上げ、これまでの行政指導について不備がなかったか、検討を進める予定です。