復興へ…希望の一杯 土石流災害から5カ月半ぶり開店の老舗そば店 静岡・熱海市
7月に静岡県熱海市で発生した土石流災害でおよそ5カ月半、被災し休業していた老舗のそば店が、きょう再開しました。復興へ一歩一歩進んでいます。
少しずつ再開の準備を…
国道135号の逢初橋近くのそば店「木むら」。創業86年の老舗です。
朝早くから仕込みをしていたのは店主の小林和海さん。休業から5カ月半。きょう、店を再開させました。
7月に発生した土石流災害。26人が犠牲になり、いまだ太田和子さんの行方が分かっていません。
発生5日目の7月7日。この日、小林さんは店の被害状況を確認していました。
そば店木むら
小林和海さん:「ここからちょっと下に行けないんで・・・こういう状態です」
土砂が流れ込んだ店内。当初、再開の目途は全く立ちませんでした。
小林さん:「茹でる釜もそうだけど天ぷらをあげるところ、ここがあるってことは、まだ望みがある。希望を持てたので」
しかし、調理する設備が何とか無事だったこともあり、少しずつ再開への準備を進めてきました。
発災から間もなく6カ月。伊豆山地区は一歩ずつ復興への歩みを進めています。
再開に「感謝の気持ちが一気に来た」
そして、きょう午前11時。開店と同時に、たくさんのお客さんが訪れました。
「おいしそー」
きょう訪れた客の多くは地元の人でした。
1組目の男性客:「共感しちゃうんだよね。どれだけ大変だったかよくわかるから、近所だし、よく知ってるし。
応援したい気持ちがあるから」
女性客:「復興に向けて一緒に歩んできたなぁと言う思いが、みんなこの地域の人たちがあると思うので、自分のことのように嬉しいなと思います」
地元の人たちの期待を背に、また新たな一歩を踏み出した小林さん。
小林さん:「これだけ応援してくれる人たちが、こんなにいるってなんか改めて感謝ですよね。こんなになかったね、災害から今までね、感謝とか感動する気持ちは、あまりなかったけど、今日はそれが一気にきたって感じかな」
地域と共にこれからもその歩みを進めます。