行方不明者の海中捜索を2カ月ぶりに再開 15日からは県の関連職員に聞き取り 静岡・熱海市土石流災害
静岡県熱海市で発生した土石流災害で、静岡県警が2カ月ぶりに伊豆山港の海中で行方不明者の捜索を行いました。一方、静岡県は盛り土が造成された当時の県職員らの聞き取りを15日から始める方針です。
斉藤慎一朗記者:「酸素ボンベなどを装備した警察官が港に入っていく。これから海中で行方不明者の捜索が始まる」
水質改善で海中捜索が可能に
熱海市の土石流災害では、これまでに26人が死亡し、現在も太田和子さんの行方が分かっていません。県警はおよそ50人態勢で地上での捜索を続けていましたが、12日午前10時から2カ月ぶりに伊豆山港で海中の捜索を行いました。
伊豆山港は、流れ込んだ土砂の影響で視界が悪い状態が続いていましたが、土砂の撤去が進み、水質が改善されたことから海中の捜索を実施したということです。
静岡県警 警視
高橋 勝氏:「行方不明者を発見してほしい、という願いを受けているので、そこを部隊に伝えて何としても行方不明者の発見とその手掛かりも発見できるように、という意気込みでやっている」
静岡県は当時の関連職員に聞き取り
一方、静岡県は来週15日から盛り土が造成された当時の職員への聞き取りを始め、行政の対応について内部調査を進める方針です。聞き取りの対象は県土地対策課、森林保全課、県土木事務所、県東部農林事務所などの現役職員と元職員です。
先月、公開された公文書をもとに当時の課長級、係長級、現場担当者などの職員に難波副知事らがヒアリングを行います。
県は、調査の結果を来月設置する予定の弁護士や学識者で構成する検証委員会に提出し意見を求めることにしています。
災害発生時48時間以内に安否不明者の公表を
また、県は土石流災害の対応を踏まえ、災害発生時に安否が確認できない人の氏名や性別などを、発生から48時間以内に公表する方針を決めました。
理由として、7月の土石流災害では発生から2日後に公表したことで、救助の対象が絞り込まれ、効率的な活動につながったことを挙げています。
公表するのは、原則氏名、性別、年齢、住所です。
一方、安否不明者がストーカー被害者などの場合は、公表しないということです。