「巻き込まれたら命を落とす恐怖感」…土石流から間一髪で逃れた消防士が語る「あの瞬間」 静岡・熱海市
大きな被害をもたらした静岡県熱海市の土石流。間一髪で土石流から逃れた消防隊員が、当時の状況を語りました。
熱海市消防本部 上田洋消防司令補:「この後、走って逃げるのが私になります」
熱海市消防本部 杉野巧消防司令:「この建物に入っていくのが私。ここで逃げて…ここです。足元まで土砂が来ていました。土砂と一緒に逃げた感じ」
「いきなりドカンと来た。ギリギリまで反応ができなかった」
映像に映っているのは、熱海市消防本部の杉野巧さんと、上田洋さんです。間近に迫る土石流から逃げながら、周辺の人にも避難を呼びかけました。
杉野さん
「安全な場所まで退避しつづけながら、避難を呼びかけられるだけ避難を呼びかけて、現場を退避したということになります。私からの目線だと、来ている土砂がゆっくり動いていくのしかまだ分からなかった。いきなりドカンと来たので、ギリギリまで反応ができなかった」
あたりに『地鳴り』が響いた
土石流が迫る直前、あたりには『地鳴り』が響いたと言います。
上田さん
「ゴーというようなすごい地鳴りが起きて、そこでこれは直ちに退避だと危険を感じた。とにかく一番恐ろしかったのは、速度がとにかく早かった。間違いなく巻き込まれたら命を落とすという恐怖感があったので、とにかく逃げなければと。全速力で。全隊全滅していてもおかしくない状況だった」
「友人もいる地域なので胸が痛いが…」
現在2人は、応援部隊のサポートや通常の出動要請の対応にあたっているということです。
杉野さん
「熱海市民のために全力で仕事をすることが僕らの使命だと思っているので、引き続き全力で取り組みたいと思うのと、あとは全国からの応援部隊の協力を感謝する次第」
上田さん
「地元の友人も当然いる地域なので、胸が痛いところがあるけども、全力をもって復興に向けてやれることを一生懸命やらせていただくことしか現段階では思いつかない」