専門医「1万人もありうるが、予測できない」…ケルベロス株が感染拡大を加速か 街では忘年会を前倒しの動きも 静岡
浜松医療センター 矢野邦夫医師(17日):「(1日の感染者が)8000人・9000人・1万人もあり得るかなと思っているが、全く予測ができない。もっといくかもしれないので、わからない」
専門家も予測ができないという県内の感染状況。第8波による感染者の急増が懸念される中、今年はインフルエンザとの同時流行の可能性も指摘されています。
静岡県健康福祉部 後藤幹夫さん(18日):「全国定点あたりの(インフルエンザ感染の)報告数が45週目で0.08ということで、その前の0.06と比べて少しずつ上がってきている。1を超えると流行の開始となっており、早ければ年内12月中に、0.08のところの数値が1を超えてくれば、流行の始まりとなります」
県では、新型コロナとインフルエンザが同時に流行すると、最悪の場合、1日に合わせて2万5000人が感染し、5500人が発熱外来での受診ができなくなると試算しています。こうした中、専門家が警鐘を鳴らしているのは「新たな変異株」です。
浜松医療センター 矢野邦夫医師(17日):「現在はBA.5(オミクロン株)が主流だが、現在米国やヨーロッパではケルベロスというのがあってBQ1.1というのがかなりの割合を占めてきている」
ケルベロス株はオミクロン株の亜種。14日の月曜、静岡市で県内初となる感染が発表されました。BA.5の1.2倍ほどの感染力があり、感染者の増加を加速させる可能性が指摘されています。
忘年会を前倒しに
そんな中、今年の年末にはある変化が。
静岡市民 40代営業職:「コロナになってからは、(大人数は)禁止となってあまりやらなくなった。やってもこじんまりと5?6人とかでやったりとかそういう感じ」
三島市民 50代介護職:「(忘年会の話は)職場では出ていないし、仲間内でも多分予定はないと思う。最近またコロナが増えてきているというのもあるし、怖いのでそういうのはやっていない」
コロナ禍で縮小傾向が続いている「忘年会」ですが、今年は…。
横浜市民 60代(出張で静岡へ):「今年は11月中にやろうかなと。確実にこれから第8波というのが来るのでそういう意味では早めにやっちゃおうと」
袋井市民 30代飲食業:「(忘年会は)もうきのう終わっちゃった」
Q.きのう終わった?
A.「きのう終わって、今年は早めにやろうということで店を貸し切りで終わらせた。ちょっと二日酔いです」
繁華街にあるこちらの居酒屋では、すでに「前倒し忘年会」で予約が埋まり始めていました。
大衆酒場いっせん 加藤那知店長:「(忘年会は)12月の半ばぐらいから 予約が入り始めるというのが例年の流れだったが、11月半ばのタイミングで、週末7、8件ほど、すでに(忘年会の予約が)入ってきているという状態で、20名から30名ぐらいの席の予約というのも多数いただいている」
こちらの店では通常、11月は閑散期にあたり、客足もそれほど多くはないそうです。ただ、この日は平日の夕方6時半ごろにも関わらず…。
大衆酒場いっせん 加藤那知店長:「当店のテーブル数は合計で20席で、いま12組ほど来店いただいているので、(席の)6割~7割くらいはこの時間で埋まってしまっている。きょうでも8名、9名の利用もあるので、先ほど話していた忘年会の前倒しというのも影響しているのかなと」
店側も予想外だったという「忘年会の前倒し」。こちらの店ではすでに早めの対応を開始しました。鍋料理など、忘年会用のコースの予約については、例年より1週間前倒しを行い、すでに受け付けを開始しています。
大衆酒場いっせん 加藤那知店長:「元々12月に期待感はあったが、11月、12月前半に前倒しされている分、後半も別にお客様が来てくれるという部分で考えれば、期待できる期間が伸びたと言うか、少し気持ちがズレる部分はあるが、チャンスが増えたという形なので有難く思っている」