コロナ禍でルール変更も…対応して奮闘する高校剣道部員 静岡・御前崎市
感染症対策としてルール変更を強いられる中、変化に対応し奮闘する剣道部員の姿がありました。
静岡県御前崎市の県立池新田高校剣道部。
1、2年生の部員11人が鍛錬に励んでいます。
去年の県大会では優勝し、インターハイにも出場した強豪校です。
自分を鼓舞し、相手を威嚇するために発する掛け声は剣道においては欠かせないものです。
●菊池竜平 剣道部監督
「剣道は技の文化があるような競技で、 有効打突の条件に『充実した気勢』という条件がある。なので発声は絶対的なものだから、どうしても抑えることができない」
ただ、声を出すことで避けられないのが飛沫です。
感染症対策が求められる中全日本剣道連盟は6月、マスクを着用したうえで面を装着するように義務付ける新しいガイドラインを発表しました。
●2年 高田楓茉さん
「急に(マスクを)着けるとなって、最初はしんどいというか、息がもたなかったりした」
この学校ではマスクに加えて、面にマウスシールドとアイシールドを取り付けて、独自に二重の対策を講じています。
●2年 高田楓茉さん
「最初はマスクなしで、マウスガードとアイガードだけだったのでその時は息で曇ったりして見えない時もあった」
新型コロナの感染拡大がもたらした変化は装備だけにとどまりませんでした。
「つばぜり合い」に関するルールも変わりました。
互いの刀をつばで受け止め、押し合うつばぜり合いは、両者が至近距離まで近づくことになります。
県高校体育連盟は試合中につばぜり合いが発生した場合に、選手同士が自発的に距離を取るか、離れない場合には審判の判断で直ちにせり合いを解消させる方針に改めました。
これまではつばぜり合いから後ろに引くタイミングで相手を打ち込む「引き技」が「一本」を狙うチャンスでしたが、今はその攻撃が認められなくなりました。
●2年 山崎優斗主将
「自分はそういう(引き)技を狙っていたので、そこがなくなったのは結構大きい。つばぜり合いがない分、それ以外の技とか、技を増やすという点では頑張っている」
コロナ禍での一時的なルールの変更に戸惑いながらも奮闘する生徒たち。
今週末には1、2年生だけで挑む初めての公式戦となる県西部の新人戦が控えています。
●菊池竜平剣道部監督
「ルールの変更は若干あるが、そういったいわゆる環境の変化や障壁は勝負の世界はつきものなので、そういったものに屈せず頑張ってやっていけたらなと思っている」
●2年 山崎優斗主将
「攻めて打つというか真っすぐな剣道を貫いて優勝を狙いたい」
ブレずに貫く真っすぐな剣道。
ルールが変更されても剣道と向き合う姿勢に変化はありません。