御殿場・キャンプ富士の感染者41人に 外出禁止申し入れも詳細説明なく地元は対応苦慮 夜の街は…
御殿場市にあるアメリカ海兵隊の訓練施設「キャンプ富士」です。
キャンプ富士では先月29日に海兵隊員9人と富士保健所管内に住む日本人従業員1人の感染が明らかにされていましたが、きのう新たに31人の感染が公式フェイスブックで発表されました。
これまでにキャンプ富士での感染者は41人となっています。
施設内で感染が拡大していることに、御殿場市民は…。
御殿場市民 60代（タクシー運転手）：
「怖いですね。キャンプ富士の米兵もしょっちゅう乗っているんですけど。これ以上広げないでくれと。適切な処置だけしてくれと」
御殿場市民 60代：
「市中感染ということは言われていないので、それを信じるかなということだけですね、今のところは」
御殿場市民 30代：
「沖縄での話ではノーマスクで米軍の人が色々やっていたという話があったが、御殿場の米軍の方がそうなのかはちょっとわからないのでどうなのかなと」
「（Q海兵隊員と思われるような人は見ることはあるか？）よく見ますよ。よく道には体格のいい駐在みたいな人はよく見ますけど」
アメリカ軍の軍人・軍属への検査は日本で実施することができず、アメリカ軍が公表していないことから、基地内での感染がオミクロン株によるものかどうかはわかっていません。
ただ、日本人従業員はオミクロン株と判明していて、濃厚接触者4人がオミクロン株に感染していたことも確認されています。
キャンプ富士から施設内の感染状況について詳細な報告がなく、対応に苦慮しているのが地元・御殿場市です。
御殿場市の担当者：
「キャンプ富士から情報提供がなく、オミクロン株の感染者が含まれているのかも分からない。詳細を確認するために防衛省にも問い合わせたが、分からなかった。このまま感染が拡大していけば、追加で何らかの対応を取らないといけない」
先月31日、御殿場市や地権者団体などは連名で、キャンプ富士の司令官と防衛省に対して、外出禁止を含む対策の徹底を申し入れています。
その後も新たな感染者が確認されている状況に、きょう地権者団体を取材すると。
東富士演習場地域農民再建連盟 勝間田祐一幹事長：
「キャンプ富士の中で、感染症対策が取られていればいいが、米軍基地の中には日本人従業員も多数いるので、そういった方々は自分の自宅なり、そういったところに行き来するわけです。そうなると、その家族であったり、あるいは市内に感染が拡大することも心配されるので」
「（Qきのう新たに31人のコロナ感染が確認されたと、フェイスブックで発表があったということだが、これについてはご存じでした？）はい、承知しています。やはり、感染拡大が日に日に広がっているなと感じる」
外出禁止の申し入れを受けて、キャンプ富士の対応に変化はあったのでしょうか。
アナウンサー（4日午後9時半すぎ）
「キャンプ富士のゲート前に来ています。夜9時半をまわったところです。30分間ほど、この場所であちらを見ていたのですが、出入りする車は1～2台程度、出入りする人の姿は全くありませんでした」
きのう夜、正門ゲートから隊員たちが出入りする様子はありませんでした。
地元住民によると、キャンプ富士の海兵隊員が夜に出かけるとすれば、およそ6キロ離れたJR御殿場駅周辺の繁華街に行くことが多いといいます。
キャンプ富士から200メートルほどしか離れておらず、居酒屋が立ち並ぶ御殿場駅に向かう通りに面した飲食店に話を聞いてみると。
ミリタリーバーBush・武若雅哉店長：
「自治体からの連名での要請があった日、報道で知ってから、その日以降、私は見ていないです。2日3日前くらいですか。出入りが明らかに減ったという印象を受ける」
「日中であったり夜間であったり、4～5人で歩いていたグループが歩いていない。少なくとも私の店の前は歩いていない状態なので、そこはガラッと変わった印象です」
バスや徒歩で御殿場駅方面へ向かう姿が毎日のように見られたそうですが、数日前から見ていないと話します。
昨夜、駅周辺の繁華街では…。
アナウンサー（4日午後9時ごろ）
「JR御殿場駅前、今夜9時になろうかというところです。付近の飲食店の方の話などによりますと、これまではよく、駅前をキャンプ富士の関係者とみられるアメリカ人男性のグループが歩いているのをよく見かけたということなんですが、きょう、この時間、歩いている外国人の方の姿は見られません」
地元住民は緊急事態宣言が明けた去年10月以降も、駅周辺で海兵隊員とみられる男性グループを頻繁に見かけたと話します。
アメリカ軍関係者もよく訪れるという駅近くのバーで話を聞くことができました。
SRaSH 渡邊裕之オーナー：
「最近は、（去年）10月・11月・12月頭くらいまで、3カ月間ぐらいはかなり米軍が遊びに来てくれていました。多い時は週5くらい、もう米軍だらけでした。15人とか20人とかいるときもあります。入れ替わりですけど」
「（Q米軍関係者だとわかるのはどうして？）会計するときにIDを見せてくれるので。あとクレジットカードが全部、米軍が使うクレジットカードなので、それで判断できる」
店を訪れるアメリカ軍の隊員たちは酒を飲んでもマナーを守ってくれるそうで、バーのオーナーは「来てくれるのはウェルカム」と話します。
先月中旬ごろから来店がパタッと止まった理由について、以前、キャンプ富士内で働いた経験もあるというオーナーは、対策強化の申し入れとは別の理由があると推測します。
SRaSH 渡邊裕之オーナー：
「トレーニング（訓練）をしに来ている人たちが来ていて、短期間とか。その来ている時はけっこう遊びに来てくれて、その人たちが帰っちゃうと、もう米軍さん誰もいない、みたいな」
（Q常駐している方がここに普段来ることは？）少ないと思われます」
キャンプ富士は海兵隊員が常駐していますが、主には在日アメリカ軍の訓練施設。
最近、アメリカ軍関係者の来店がないのは訓練で来ていた隊員が所属基地に帰ったからではないか、と話します。
県や御殿場市によりますと、キャンプ富士が外出禁止措置を講じているかなど、対応に関する詳しい説明はないということです。
SRaSH 渡邊裕之オーナー：
「オミクロン株の感染力はすごく強そうなので、こういう商売をしている側も意識的に注意しなければいけないとは思っているが、本音を言ってしまうと商売の死活問題なので、お客様として来店している方に帰れ、とは言えないので楽しんでもらいたいというのが本音です」