小学校クラスター広がる 専門家「今後はワクチン打てない人の感染がメインに」

静岡県富士市 小長井義正市長(7日):「オミクロンという新たな変異株も国内にも確認をされている。我々もその状況を注視していかなきゃならないと思っているが、県内の中でも富士市はとりわけ多く感染者が出ている」

画像: 小学校クラスター広がる 専門家「今後はワクチン打てない人の感染がメインに」

 7日に富士市の小長井市長が指摘した市内の新型コロナの新規感染者数。静岡県内ではこの1週間で45人の感染者が確認されていて、そのうちの30人が富士市の感染者です。

富士市で小学校クラスター

画像: 富士市で小学校クラスター

 富士市内の感染者急増の要因となっているのが…

富士市の会見(6日)
Q.今、学校の中で感染が確認されているのは何人という理解でしょうか?

A.全部で12人になりますが、そのうち10人は学級閉鎖をしている1学級の中の感染者数です。

 富士市では小学校でのクラスターが発生。いずれもデルタ株の感染とみられています。陽性となった児童は学年にまたがっていて、このうち2つのクラスで17日まで学級閉鎖となっています。

児童はワクチン打てず

 今回クラスターが発生したクラスの児童には“ある共通点”が…

富士市の担当者
Q.全員小学生ということでワクチンの対象外か?

A.はい、その通りです。

 ワクチン接種の対象となるのは12歳以上のため、クラスターが発生したクラスの児童はいずれもワクチンは打っていませんでした。一方で気になるのは感染経路です。

画像: 児童はワクチン打てず

富士市の担当者
「なかなか難しくて、学校では感染症対策は十分に行っているので、学校の中での感染というのは考えにくい。放課後一緒に遊んだりするなど、学校の教育活動の指導範囲外での接触も多くみられることから、学校以外での感染の可能性も考えられるのではないかと思っている」

 市によると、学校内ではマスクの着用や換気、消毒などの基本的な感染対策は徹底しているといい、市側は子どもたちの感染を防ぐ難しさをにじませました。

富士市の担当者
「学校外の活動についてまで、一緒に遊んではダメだよというようなことまでは指導できませんので、その辺はご理解いただきたいと思います」

 富士市の小学校クラスターでは、10日までに児童21人の感染が確認されています。

静岡市の小学校でもクラスター

 緊張感が高まる子どもたちへの感染。9日には静岡市でも…。

画像: 静岡市の小学校でもクラスター

静岡市の担当者
「このクラスターは市立の小学校で発生したものです。12月8日までに児童5人の陽性が判明したため、クラスター認定をしました」

 静岡市は市内の小学校でのクラスターを発表。10日までに児童5人の感染が確認されていて、いずれもデルタ株だと見られています。

感染症の専門家は「今後はワクチンを打てない方が」

 ここにきて発生した「小学校でのクラスター」感染症の専門家は次のような見解を示しています。

画像: 感染症の専門家は「今後はワクチンを打てない方が」

浜松医療センター 矢野邦夫医師:
「今週数週間は感染者が極端に減っていて、もしかしたら感染者がいないんじゃないかとさえ思えることが続いている。でも実はそうではなくて感染の連鎖はあった。新型コロナの感染のターゲットが段々子どもたちにシフトしていく。これはやむを得ない。今後の感染者はワクチンを打てない方がメインになるんですけど、その中には11歳未満の子どもたちが含まれている。もともとコロナは子どもが感染するようなウイルスであったということから考えると、小学校・幼稚園・保育園のようなところで感染者が増えても全く不思議ではない。適切なマスクの着用を子どもたちがやっている、そしてその周辺の大人もやっている、こういうことを再度確認していくことが大切」

          (12月11日放送)