新型コロナ感染拡大に専門医「これからかなり増える」 新たな変異株ケルベロス感染力はBA.5の1.2倍 静岡

 本格的に迎えている紅葉シーズン。3年ぶりに行動制限のない“行楽の秋”ですが、ここに来て静岡県内にも再び、新型コロナの拡大が目立ち始めています。県内では18日までの1週間で新たに1万3040人の新型コロナウイルス感染が確認されました。前の1週間と比べ1800人以上増え、県内の感染者は今月に入ってから増加傾向が続いています。今後の見通しについて専門家は…。

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新型コロナ感染拡大に専門医「これからかなり増える」 新たな変異株ケルベロス感染力はBA.5の1.2倍 静岡

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「今後、感染者数は増える」

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浜松医療センター 矢野邦夫医師(17日):「今後、感染者数は増えていくと思う。というのは北海道の状況が非常に参考になるが、現在北海道は第7波を大きく上回って第8波となっているが、おそらく静岡県も同じようになるだろうということで、これからかなり増えることが予想される」

 北海道では15日、新規感染者数が初めて1万人を超えました。さらに翌日には1万1112人と過去最多を記録しています。現在の感染状況について、矢野医師はある“特徴”を指摘します。

浜松医療センター 矢野邦夫医師(17日):「今回の第8波は、北海道から始まってだんだん南下しているが、これは寒い地域で流行が始まっている。寒い地域というのは、どうしても寒いから換気が不十分になるが、それに加えて狭い空間に多くの人が集まってくる。そういったこともあるので換気をしないと感染しやすくなるという特徴がみられていると思う」

新たな変異株ケルベロスはBA.5の1.2倍の感染力

 県内でも「第8波」の声が聞こえてきている中、警戒されているのが、新たな変異株です。

浜松医療センター 矢野邦夫医師(17日):「現在はBA.5(オミクロン株)が主流だが、現在米国やヨーロッパではケルベロスというのがあってBQ1.1というのがかなりの割合を占めてきている。アメリカだとかなりBA.5を押さえつけてきて流行している。ケルベロスはBA.5の1.2倍ぐらいの感染力がありそうなので、第8波はすなわち12月の上旬ぐらいになるとかなりの割合を占めてくると推測している」

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 ケルベロス株はオミクロン株の亜種。14日、静岡市内でも県内初となる感染が発表されています。気になるのはその「強さ」です。

浜松医療センター 矢野邦夫医師(17日):
Q.重症化させる力は、ケルベロス株はどうですか?

A.「おそらくBA.5と同じかなと思っている。BA.5の感染力を強くしたようなウイルスかなと思っているので、ケルベロスが流行したからといって重症化する人の割合が増えることはないかなと思っている」

早ければ年内にもインフル流行始まる…心配される「同時流行」

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 コロナ禍で迎える3度目の冬。懸念されているのが、インフルエンザとの同時流行です。

静岡県健康福祉部 後藤幹夫さん(18日):「全国定点あたりの(インフルエンザ感染の)報告数が、45週目で0.08ということで、その前の0.06と比べて少しずつ上がってきている。1を超えると流行の開始となっており、早ければ年内12月中に、0.08のところの数値が1を超えてくれば流行の始まりとなります」

 矢野医師も、警鐘をならしています。

浜松医療センター 矢野邦夫医師(17日):「(コロナと)インフルエンザの同時流行は本当に心配している。流行しそうなのがA香港型。A香港型というのはワクチンの効果が減弱して高齢者を襲って重症化や死亡率が上がってくるので、これが同時に感染が始まり、コロナが加わるとかなりきつい状況になるのかなと。インフルエンザに関してはとても良い抗インフルエンザ薬があるし、これを早期に内服することによって、重症化を抑えたり症状を和らげることができるので、インフルエンザの診断を早くして重症化しない努力もいるのかなと」

クリニック院長「ワクチン接種が大事」

 静岡市にあるこちらのクリニックでは、元々新型コロナワクチンを接種していて、10月中旬からインフルエンザワクチンの接種を始めました。

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マイクリニック大久保 大久保雅之院長:「(インフルワクチンの接種は)例年と変わりなく数は増えていないし、減ってもいないです。新型コロナワクチンに関しては、打たない方は打たないし、3回打った方は、だいたい4回目、5回目を打った方が多いです」

 それぞれのワクチンは、この冬から接種間隔を空けずに、同時接種することが可能に。こちらのクリニックでも患者の希望に対応しています。

 新型コロナワクチンの接種に訪れていた、こちらの男性。2週間前にインフルワクチンを接種したそうです。

接種に訪れた人 80代:「前回来た時に一緒に打っていいよと言われたけど、別々の方が安心感があると思って」

マイクリニック大久保 大久保雅之院長:「患者さんの希望に合わせて同時に打ちたいよという方は同時に打つし、間隔を空けたいという方は間隔を空けて接種しています」

 こちらのクリニックではかかりつけ患者と病院に相談のあった患者を対象に、新型コロナの発熱外来も受け付けています。今年の冬、同時流行の懸念については…。

マイクリニック大久保 大久保雅之院長:「(同時にかかった場合は)発熱が長く続くとか、呼吸不全を起こすとか、通常のコロナ感染よりも、やはり重症化しやすいのではないかなと思います。外出後には手洗い、うがいをしっかりしていただくということと免疫力が下がらない生活をしていただく、あとワクチン接種、それが大切だと考えます」