静岡県内も接種証明アプリ普及に課題 浜松市では数千件の入力ミスも
アナウンサー:
「きょうからスマホなどでワクチン接種証明書を発行できるサービスが始まりました」
きょうからダウンロードできるようになったのは、デジタル庁が開発した接種証明書アプリ。
スマートフォンでマイナンバーカードを読み取り、自分がワクチンを接種した市町を選ぶと接種証明書が発行できます。
これまで海外渡航者向けの接種証明書は自治体に申請して書面で交付されていましたが、今後はアプリで行うことが可能となります。
ただ、「ワクチン接種記録システム」に登録された個人の接種歴をめぐってはトラブルも。
今月16日時点で、およそ1億件のデータのうち、接種日やワクチンの種類など10万件に誤りがあり、自治体が修正を急いでいます。
静岡市ではこれまでにおよそ54万人が2回の接種を終えていて、市の担当者は3回目の接種が始まった医療従事者から修正作業を進めています。
また、62万人ほどが接種を終えた浜松市では10月から修正作業を本格化させ、これまでにミスが確認された数千件程度の修正をすでに終えたということです。
浜松市の担当者:
「ワクチンのロット番号や日付のミスが多い。62万人の2回分を確認するには、それだけ人員も必要になる。個別接種に関しては医療機関で入力しているので把握できないミスもあると思う」
浜松市では接種証明書に誤りがあった場合は市のコールセンターに連絡してほしいと呼びかけています。
そもそも政府の「ワクチン・検査パッケージ」では、緊急事態宣言下でも2回の接種済みが証明できれば5人以上の会食を容認し、イベントでは人数制限を設けないというもの。
しかし、課題も指摘されています。
きょうから運用が始まったデジタル接種証明アプリを利用するためには、マイナンバーカードによる登録が必要ですが、静岡県内のマイナンバーカード普及率は、およそ4割にとどまっているのです。
アナウンサー:
「先ほどダウンロードしたワクチン接種の証明書アプリ。街の皆さんはメリットを感じる一方で、発行するハードルの高さも感じているようです」
静岡市民(50代):
「前までは紙の接種証明書を持っていたので、スマホで持ち歩けるようになるのは便利。これで(マイナンバーカードと)紐づけてしまえば他の手間が減ると思う。」
吉田町民(30代):
「めんどくさいですね。(Qマイナンバーカードを持っていないと利用できないのが?)う~ん。みんながやり始めたら考えるけど」
静岡市民(70代):
「スマホは持っていますけど、高齢なので(操作が)苦手です。若い方たちには利用してほしいと思う。(Qでも自分では利用しない?)機械が苦手なので」
国内で利用する際にはアプリ以外にも、接種を終えたときに渡される接種済証やそれを撮影した写真でも代用は可能です。
一方、今後「アプリを提供される側」となる飲食店では、接種証明の提示を求めることによるジレンマを懸念しています。
中華料理店の店主:
「それ(デジタル証明)を見せることによって、店側としては安心感がある。でも集中してお客さんが来たときに確認用のスタッフを張り付けることは不可能ですから。行政(の運用)はどのように変わっていくか、それに応じて対応したい」