緊急事態宣言拡大初日の夜 愛知・静岡県境の街の居酒屋では…

宮崎玲衣アナウンサー車窓リポ(午後8時ごろ 湖西市と豊橋市の県境)
「いま、静岡県湖西市から愛知県豊橋市からに向かって車で走っています。周りを見てみますと緊急事態宣言の影響でしょうか、電気が消えている飲食店が多くみられます」

緊急事態宣言下の愛知・豊橋市

画像: 緊急事態宣言下の愛知・豊橋市

きのう午後8時すぎ、湖西市と豊橋市を結ぶ県道沿い。車で5分ほど走れば、ラーメン店や居酒屋など10軒ほどの飲食店が並んでいますが、営業していた店は1軒もありませんでした。

 12日に緊急事態宣言に追加された愛知県では、県内全域の飲食店に午後8時までの時短要請と酒類の提供自粛の要請が始まっています。

豊橋駅前にあるこちらの居酒屋では要請に応じてアルコールの提供を中止。時短営業で食材を余らせないようにメニュー数も減らしたそうですが・・・。

居酒屋 百万石店員:「お酒も出せんし…」
客:「お酒はしょうがないからいいですけど」
店員:「きょう何にもないですね。ほぼほぼ。ほぼほぼないですね」
客:「わかりました。またにします」
店員:「すみません…」

居酒屋 百万石:「居酒屋なので焼き鳥とかいろんなものが食べられる予定で来てくれているとは思うが、やはりお客さんはあぁ…ってなっちゃいますよね」

隣接する静岡県へ客が流出?

店が懸念するのはそれだけではありません。隣接する静岡県への客の流出です。

居酒屋 百万石:「よく耳にするのは(静岡に)飲みに行こうかなっていう話は聞いたりもする。静岡の人が嫌がるだろうなとか思うけど」

静岡・湖西市の居酒屋は

宮﨑アナ(午後8時すぎ 湖西市新所原)
「緊急事態宣言が出ていない湖西市では、こちらのように午後8時を過ぎても営業しているお店があります。中にはお客さんの姿も見られます」

画像: 静岡・湖西市の居酒屋は

 県境から歩いて3分ほどの場所にある湖西市新所原(しんじょはら)の居酒屋には、お酒を飲みながら食事を楽しむ、数組の客の姿が。

客(豊橋市民):「豊橋に住んでいる。会社帰りで勤めが新所原なので。一人暮らしで食事に困ってしまうので、食事ができる静岡県で食事をして家に帰ろうかと」

客(豊橋市民):「一駅向こうに行くと愛知県の二川というところがあって、私は二川に住んでいる。まずは職場に近い新所原で食事をしてみて、どんな様子かなと言うのを確認したくて来ている」

備前扇屋 新所原店
小野田昌明店長:「電話の問い合わせが多くなっていてそれはおそらく県外、愛知県の方だと思う」

Q:どういったことを電話で聞かれる?

小野田店長:「まず何時までやってますかとか、アルコールは提供できますかとか、そういうこと」

愛知県からの来客に店長は複雑な思いが…

ただ、愛知県への緊急事態宣言は決してメリットではないといいます。もともと豊橋市からの客が多いからです。愛知県への緊急事態宣言発令が決まった直後から客足は減少傾向に。苦渋の決断を余儀なくされました。

小野田店長:「通常は12時までの営業なんですけど、今日から時短という形にした」

 同じ時短営業といっても、県境をまたいで大きな違いがあります。隣接する豊橋市の飲食店では売り上げに応じて1日最大10万円が補償されますが、宣言が発令されていない湖西市の店には補償がないのです。

小野田店長:「本当に気持ちとしては豊橋も湖西も同じようなものなので、愛知と同じような待遇にしていただけるのがありがたい」

 昨夜は通常より2時間早い午後10時に閉店しました。

小野田店長:「一部だけに緊急事態宣言とかじゃなくて、全国一律同じような形で国や県が施策すればみんな納得する」

Q:「緊急事態宣言に振り回されている?」

小野田店長:「振り回されますよね、はい」