【新型コロナ】静岡市の飲食店1000店舗でPCR検査 広がる風評被害…店「クラスター発生店舗は公表を」
静岡市の中心市街地にある会員制のバーです。市内でクラスターや感染者が増えている状況を受け、先週からは予約のみの営業をしています。
カラオケや接待を伴う飲食店などでPCR検査実施へ
根方ゆき乃記者:「静岡市は今月からカラオケや接待を伴う飲食店などに、PCR検査を行うことを決めました。この会員制バーも対象です。入り口には消毒、席はパーテーションで仕切るなど、感染症対策を強化している」
この店に8日、静岡市から1通の封筒が届きました。
オーナー:「本日届きまして、早速私も開封をして読んだんですけど…。早速きょう、日中全てのスタッフに連絡して、受けましょうと承諾を得た」
市から届いたのは、店の従業員が無料でPCR検査を受けることができる申込書です。
静岡市内では先月、カラオケや接待を伴う飲食店で7つのクラスターが発生。これを受け、市は中心市街地にあるバーやキャバレーなど、約1000の飲食店を対象に、一斉検査を実施するとしていました。この店では、早速、オーナーが申込書を記入していました。
オーナー:「もっと早く対応していただければ、クラスターも広がらなかったのではと正直あるが、まず一歩。(PCR検査を)行っていただけるということで、早く受けたい」
「できる対策はすべてやろうと」
店は「何としてでも感染者を出すまい」と感染症対策にも余念がありません。 オーナーの説明
「通常のときより席数を減らしています。パーテーションも正面とサイドに置き、客の前には1台ずつ(加湿器を置くなど)工夫しています」
Q.それぞれの席での対策が万全な状況
オーナー:「そうですね。できることは全てやろうと」
ただ、飲食店業界がいま最も不安視しているのが、クラスターの店名が公表されないことで広がる風評被害です。
オーナー:「公表した方が、他の店舗への影響が薄れる。お客様も安心して出かけられる」
今後クラスターが発生した場合、「原則公表」を店に求め、利用客の名簿が全てそろわなければ、「同意がなくても公表する」方針を示した田辺信宏市長。こうした『条件付き』での公表についてオーナーは。
オーナー:「公表するなら公表するで、明確にした方が、市民としても安心。これはして、これはしないとなっていくと、今までとあまり変わらず不明瞭なところが出て、これまでのような風評被害につながるのでは」
その影響もあるのでしょうか、この店でも去年の同じ時期と比べて、客は10分の1程度に激減していると言います。
オーナー:「ここからますます拡大するのであれば、そういったこと(時短要請)も必要に応じて対応していこうと思っている」
ただ、その上で店を存続するため、協力金などの補償も必要だとしています。感染拡大を抑えながら、飲食店業界を救うことはできるのか、財政もひっ迫する中で、行政もまた難しい判断を迫られています。
オーナー:「とにかく大変な年になったので、何とか年内にいろいろな対策を講じて、封じ込めて、いい年を迎えられたら」