「筋肉注射の経験はないので緊張した」 歯科医師のワクチン接種研修 静岡・富士市
根方ゆき乃記者:「こちら会場にいらっしゃるのは、開業医の歯科医師の先生方です。実際にどのような姿勢で腕のどの場所に打つのか、模擬での練習を行っています」
10日午後、静岡県富士市で行われたのは、歯科医師を対象にしたワクチンの接種研修です。打ち手の確保が課題となる中で、今後、静岡県内でも歯科医師による接種が始まります。
静岡県新型コロナ対策課 塩津慎一参事
「それぞれの市町でも、今後一般接種に向けて今まで以上に接種態勢を拡充する必要が出てくると思います。そうした際にも是非ですね、市町からの要請がございましたら、お応えいただけたらと思います」
研修会ではまず、動画で接種全体の流れを確認します。歯科医師は通常、口の中への注射は行っていますが、ワクチン接種で実施する腕への筋肉注射は経験のない医師が多いといいます。
静岡県立看護専門学校 杉山つかささん
「まず三角筋の打つ場所を確認していきます。利き手ではない方を選択していただいても構わないんですけども、なるべくでしたら、やはり副反応で、腕の重みとか痛みとかがかなり出やすいようなので、利き手じゃない方が生活に支障はしにくいのかと思います」
静岡県立看護専門学校 大竹加代子さん
「打つ場所なんですが、ビデオでは肩峰といって肩の角のところから3本下というふうにビデオで説明していたと思うんですが、もうひとつ先ほど説明があったように…、角度は90度になります。垂直です」
歯科医師は…
装着しているのは、腕の質感を再現したシミュレーターです。講師が実演した後は、参加した歯科医師が実際に筋肉注射を体験します。
研修を受けた医師A
Q.いま打ってみてどうですか?
A.「筋肉注射って経験がないので、すごく緊張はしますね。皮下とか血管に点滴を打つというのは、大学時代に経験はあったんですけど、そうじゃなくて筋肉注射となると、ちゃんとここであってるのかなというところを考えるので、すごいいい経験になったと思います」
研修を受けた医師B
「僕たち、注射は慣れているので、それほどではない。むしろこのほうがむずかしくはない。こういう体の外側には打ちませんけど、中側に打つのは普通に打ちますので、打つのに関してはそんなにドキドキしない」
Q.接種参加へ抵抗とかはないですか?
A.「そうですね。抵抗はないです。ドクターもいてくださるだろうし、いろいろ手助けしてくださる方いると思うので」
県内498人の歯科医師が協力の意思
これまでに県内では498人の歯科医師がワクチン接種に協力する意思を示していて、県では今後、各地で同様の研修を実施する予定です。藤枝市や三島市などでは、県に先行する形で独自に研修会を開いていて、県内初とみられる歯科医師によるワクチン接種は今月中に藤枝市で始まる見込みです。
研修受けた医師
「国や県が一丸となって対応している中、自分にできることがあれば少しでも力になりたいなと思って応募しました。この研修内容を、あとは復習して対応にあたれば本番も自信になると思うのでがんばります」
静岡県歯科医師会 大内仁之専務理事
「責任を感じている。学習と実習で確認をしながら進めていきたいと思う。歯科医師会の医師たちも医療人として社会的な貢献という意味では、ぜひ市民の方々のワクチン、多くの方に打ってもらいという心は一つです」